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「自粛」「換気」で殺虫剤・防虫剤が好調 つり下げ型・網戸用など人気、前年比200%の製品も

   政府や厚生労働省は「新しい生活様式」の中で「外出控え」や「こまめに換気」を呼びかけているが、これに伴い殺虫剤・防虫剤の売り上げが伸びている。

   J-CASTニュースは殺虫剤メーカー大手3社に取材を行った。

  • 売り上げが好調という「アース虫よけネットEX」(画像はアース製薬広報室提供)
    売り上げが好調という「アース虫よけネットEX」(画像はアース製薬広報室提供)
  • 売り上げが好調という「アース虫よけネットEX」(画像はアース製薬広報室提供)

「網戸用」が伸び見せる

   2020年6月2日に「ベープリキッド」などで知られるフマキラーのマーケティング部に問い合わせたところ、殺虫剤の売り上げは「市場全体で前年比約109%」とのことだ。特に「網戸用」製品の売上げが目立ち、「網戸用のカテゴリーでは市場全体で前年比140%前後」とした。

   さらに、フマキラーが販売する網戸用殺虫剤は前年比約200%で推移しているという。中でも網戸などに吹きかけることで殺虫・防虫ができる「虫よけバリアスプレー アミ戸窓ガラス」が好調とのことだ。担当者は、この売れ行きの理由について

「やはり自粛ということで家に居る時間が長いと、イヤな虫が入ってくることが気になる方もいらっしゃり、それでお買い求めいただいているのではと思う」
「また、メディアでも換気などを呼びかけており、窓を開けるといった感染対策を行う中で、殺虫剤を使用するという選択を取られる方も多いのではないか」

としている。

   また、「金鳥」の商標や「キンチョール」で知られる大日本除虫菊の宣伝部は「殺虫剤市場全体で見ますと、屋内で使う殺虫剤の売上は好調に推移しています。弊社で言いますと、『換気』という所で、虫コナーズの売上が伸びています」と6月3日にコメントした。虫コナーズはつり下げるタイプの虫よけ剤だ。

「つり下げ型」も好調の中、虫よけスプレーは...

   アース製薬の「虫ケア用品ブランド」責任者に6月5日に取材したところ、こちらも殺虫剤のうち「家で使うもの」の売り上げが伸びているとのことだ。「アースノーマット」など液体蚊取りの店頭売り上げは前年比で約110%となっているとした。また、こちらでも網戸まわりなどで使うものが伸びており、特に「アース虫よけネットEX」をはじめとする「つり下げ型」の防虫剤が好調で、売り上げは約120%(前年比)とした。

   換気の必要性や、家に長く居る時間が増えたことにより、「例年よりも『家に入ってきて欲しくない虫』への意識が高まっている方が多いのではないか」としている。「店頭などでの在庫は消化されていっており、できるものから増産対応を行っている」という。

   一方、外出自粛の影響で、肌にかけて使う屋外向けの虫よけスプレーの類の売り上げは伸び悩んでいるとのことだ。「外出自粛要請も緩和され、もし状況が収まったら夏にはアウトドアに出られる方も増えるかもしれない。ニーズに合わせた準備を行っていくつもりです」とコメントした。

   また、広報室の担当者によると、液体蚊取りの「110%」やつり下げ型の「120%」といった数字は店頭での売り上げであり、「つり下げ型など一部の製品では、大手ECサイトでの売り上げが前年比200%以上に伸びているものもある」という。