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プロ野球「試合数減」新人は受難か 「チャンス少なくなる」との声が出る理由

   新型コロナウイルスの感染が収束したのを受け、プロ野球の開幕日が2020年6月19日に決定した。

   本来なら3月20日の開幕予定だったが3カ月遅れとなり、ある球団の首脳陣は起用法について渋い表情を浮かべていた。

  • 観客席を沸かすようなニューパワーは出るか(イメージ)
    観客席を沸かすようなニューパワーは出るか(イメージ)
  • 観客席を沸かすようなニューパワーは出るか(イメージ)

「今年はそんな余裕はない」

「レギュラーシーズンは120試合ぐらい? 例年より20試合以上少なくなるので、開幕から負けが込んだら取り返しがつかなくなる。春先は新人や若い選手を使って戦力になるか見定めるけど、今年はそんな余裕はない。ある程度経験値のある選手を優先して使うことになるし、新人に与えるチャンスは少なくなると思う」

   5月下旬から各球団は2カ月ぶりに実戦を再開。経験のある選手は技術の引き出しがあるため対応できるが、新人は2カ月以上のブランクに戸惑いが隠せないだろう。1月の新人合同自主トレから始まり、2月の合同自主トレ、オープン戦と段階を踏んでコンディションを上げてきた。3月20日からの開幕だったら万全の状態で迎えられたが、この2カ月で暗転してしまうケースも珍しくない。

   DeNAのドラフト2位左腕・坂本裕哉(立命大)もその一人だ。3月13日の日本ハム戦(札幌ドーム)で4回無失点、21日の巨人との練習試合(東京ドーム)でも3回1安打無失点の快投でアピールした。予定通りの開幕だったら、先発ローテーションに入っていただろう。しかし、コロナ禍で開幕延期となり、5月28日の紅白戦で久々のマウンドで2回5失点の乱調。開幕1軍が遠ざかってしまった。

それでも「即戦力」になりそうなのは

   もちろん、リーグ優勝を目指す上で新戦力の力は不可欠だ。異例の状況で新人に同情の余地はあるが、少ないチャンスをモノにできれば選手としての価値も上がる。

   即戦力として期待されるのはDeNAの坂本、広島の森下暢仁(明大)、ヤクルトの吉田大喜(日体大)、中日の橋本侑樹(大商大)、3位の岡野祐一郎(東芝)、4位の郡司裕也(慶大)、西武の宮川哲(東芝)、ソフトバンクの佐藤直樹(JR西日本)、楽天の小深田大翔(大阪ガス)、ロッテの福田光輝(法大)、日本ハムの河野竜生(JFE西日本)......。

   高卒組もロッテの佐々木朗希(大船渡)、ヤクルトの奥川恭伸(星稜)のほか、楽天の黒川史陽(智辯和歌山)も実戦で大器の片鱗を見せている。上記の選手以外にも好素材は多い。何人の選手がルーキーイヤーから輝きを放つか要注目だ。