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都知事選候補「他に誰がいます?」 れいわ山本太郎代表が出馬表明 

   れいわ新選組の山本太郎代表は、2020年6月15日に参議院議員会館内で記者会見を開き、7月5日投開票の東京都知事選に同党公認で立候補する意向を示した。

   山本氏は「東京オリンピック・パラリンピックの中止」や新型コロナウイルスで困窮する都民に向けた総額15兆円の経済政策の実現を掲げた。

  • 怒気混じりに立候補理由を語るれいわ新選組・山本太郎代表
    怒気混じりに立候補理由を語るれいわ新選組・山本太郎代表
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  • 「東京五輪中止」のスライドを説明する山本氏

「『餓死寸前』の人たちが街のいたるところで目につくって...」

   山本氏は自身の都知事選出馬の可能性について、13日に文化放送のラジオ番組「ロンドンブーツ1号2号 田村淳のNewsCLUB」で「フィフティーフィフティーだ」と発言していた。その動向に注目が集まる中、15日に参議院議員会館の面談室で行われた会見には記者が殺到し、報道陣による「密」な状態が形成された。

   会見の冒頭で山本氏は「端的に言いますと、東京都知事選に立候補します」と立候補を宣言。インターネット上ではれいわ所属で重度障害者の木村英子参院議員が出馬するのではないかという噂が出回っていたこともあり、記者から「それは山本太郎さんが、ですね」と問われると、山本氏は「他に誰がいます?」と自身の立候補であることを強調した。

   出馬の動機について山本氏は、新型コロナウイルスの影響で都内の生活困窮者が増加していることを理由に挙げ、

「リアルに『餓死寸前』の人たちが街のいたるところで目につくっておかしいでしょ。私は『困っている人たちがいるじゃないか。なんとかしろよ』ってことを(議員)バッジをつけ、何かしらの立場に立って実現するために政界に足を踏み入れた。じゃあそのチャンスはいつきますか。1400万人の東京都民に対して生活を直接底上げできる、餓死する寸前だった人たちに対して、すぐにでも手立てを打てるんだったら、目の前の東京都知事選に出るでしょ」

   と熱っぽく語った。

五輪は「どうやってやるんですか」

   山本氏は都知事就任後に「都に必要な8つの緊急政策」を実施すると宣言したが、その1つ目には以前から自身が開催反対を訴えてきた東京オリンピック・パラリンピックの「中止」を掲げた。山本氏は、

「(現状は)やれるやれる詐欺。どうやってやるんですか。(新型コロナの)ワクチンいつできるんですか?特効薬は?確定していないものに対して『もうすぐできる』っていう空気を振りまきながら、なんとかやれるという空気を醸成していくわけにはいかない」

   と語り、大会中止により削減したコストや人的資源を「別のところに回す」と主張した。

   2つ目には総額15兆円の「コロナ損失」対策を掲げ、具体的には「全都民への10万円給付」「(高校・大学など)授業料の1年間免除」「中小企業・個人事業主の事業収入のマイナス分保障」などを実施するとした。また、今後のウイルス再拡大にともなう「コロナ自粛」に備え、都民に対してさらに10万円、全事業者に対して迅速に100万円を給付するとした。

   他にも就職氷河期世代(ロストジェネレーション)とコロナ失業者計3000人を都の職員として採用する雇用対策や、空き家や都営住宅の空き部屋を活用しやすい家賃で住めるようにする住宅政策を掲げた。

   都知事選には現職の小池百合子氏をはじめ、立憲民主や共産などが支援する宇都宮健児・元日弁連会長、日本維新の会推薦の小野泰輔・元熊本県副知事らが立候補を表明している。