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マツダ100周年で公式グッズ続々 名車モデルカーに写真集、Tシャツ...

   マツダが創立100周年を記念し、新たに「MAZDA COLLECTION(マツダコレクション)」と呼ぶオフィシャルグッズを2020年6月25日に発売した。

   マツダコレクションはTシャツ、タオル、マグカップ、ポストカード、写真集のほか、歴代のマツダ車の「100周年限定モデルカー(模型)」などで、マツダのブランド力を強化するのが狙いだ。

  • マツダ100周年を記念する「MAZDA COLLECTION」(マツダ公式ブログより)
    マツダ100周年を記念する「MAZDA COLLECTION」(マツダ公式ブログより)
  • マツダ100周年を記念する「MAZDA COLLECTION」(マツダ公式ブログより)

「43分の1」モデル

   一連のコレクションのデザインを担当するのは、マツダの現役チーフデザイナーとして、マツダ車の「魂動デザイン」を手掛ける諌山慎一氏だ。諌山氏は「これまでマツダを支えて下さった全ての方に感謝の気持ちをお伝えしたい。そんな思いを持って、100周年オフィシャルグッズを作った」とコメントしている。

   100周年限定モデルカーは、1960年発売のマツダ初の軽乗用車「R360クーペ」と、世界初の量産ロータリーエンジン車となった67年の「コスモスポーツ」を発売するほか、現役のロードスター、マツダ3、CX-30に加え、コンセプトカーの「RX-ビジョン」「ビジョンクーペ」もリリースする。

   いずれのモデルカーも43分の1モデルで、7920円から1万5290円までと、比較的高価なのが特徴だ。マツダは日本の自動車メーカーの中で、これまでも精巧なモデルカーを自社で開発・販売した実績のある数少ないメーカーだ。

   ロータリーエンジンはRX-8を最後にカタログモデルから消えて久しいが、マツダにとっては大いなる遺産だ。マツダはこのエンジンの模型を販売したこともある。いずれもマツダファンにとっては、たまらないレア商品だ。

   諌山氏は「『歴史(ヘリテージ)&未来(ビジョン)』をテーマに、100周年のマツダオフィシャルグッズを作った。懐かしいR360クーペやコスモスポーツなど、マツダの歴史を振り返りながら、楽しんでいただきたい」と話している。

   今回のコレクションは、専用のオンラインショップで6月25日に発売し、8月上旬からはマツダ販売店でも発売する。

自社デザイナーを前面に

   2020年の今年、創業100周年を迎える自動車メーカーは、マツダのほかにスズキもあるが、今のところ歴代の商品や開発エピソードを紹介する専用サイトはあっても、専用の記念グッズを販売するサイトは見当たらない。

   自動車メーカーがブランド強化に向け、オリジナルグッズを発売するのは珍しくない。トヨタ自動車、日産自動車、ホンダはもちろんだが、中堅メーカーではSUBARU(スバル)もモータースポーツ専門の子会社「スバル・テクニカ・インターナショナル」(STI)などを通じ、オリジナルグッズや専用部品を積極的に販売している。かつては世界ラリー選手権、現在はニュルブルクリンク24時間耐久レースなどモータースポーツの活躍と合わせ、スバルの知名度とブランド力を一気に向上させた。

   一方のマツダは、魂動デザインのチーフデザイナーをコレクションの担当に起用し、デザインでマツダのブランド力を高め、ファンを増やす戦略だ。日本の自動車メーカーが、ここまで自社のデザイナーを前面に出し、グッズ開発を行うのは前例がない。

   近年のマツダは魂動デザインでクルマのデザインを一新した。魂動デザインとは「クルマをただの鉄の塊ではなく、まるで生き物のように生命感を感じさせるものにしたい」というコンセプトの独自デザインで、マツダが戦略的に進めている。

   果たしてマツダは、100周年記念のオフィシャルグッズの販売を通じ、ブランドの向上を図れるか。魂動デザイン戦略の真価が問われそうだ。