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今季セ・リーグの新人王争い 筆頭候補は広島・森下と巨人・戸郷、対抗馬は?

   プロ野球の2020年の今シーズン、セ・リーグでは7人のルーキーが開幕1軍入りを果たした。すでに1軍で結果を残している新人やファームで1軍昇格を目指してアピールする選手もいる。

   新型コロナウイルスの影響でレギュラーシーズンが120試合に短縮されるなか、セ・リーグの新人王争いはどのような展開を見せるのか。今シーズンの新人王レースを予想した。

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森下は下馬評通りの勝負強さを発揮

   6月19日に開幕し7月上旬現在で、セ・リーグの新人王レースの先頭を行くのは広島の森下暢仁投手(22)だ。2019年のドラフト1位で即戦力として期待されて入団。MAX155キロの直球に加え、カーブ、チェンジアップ、カットボールなど多彩な変化球を持つ。開幕前から今年の新人王の本命に上げられるなど周囲の期待は高く、今シーズンの開幕ローテーション入りを果たしている。

   プロ初先発となった6月21日のDeNA戦では、DeNAの強力打線を7回4安打無失点に抑え、鮮烈デビューを飾った。勝ち負けは付かなかったものの、8奪三振の快投だった。中6日で臨んだ28日の中日戦では8回までゼロを並べ、完投こそ逃したが8回3分の2を投げ抜きプロ初勝利。マウンド度胸が良く、この2試合は新人らしからぬ堂々とした投球内容で、現時点で新人王の筆頭候補に挙げられる。

   森下に続くのがプロ2年目で新人王の資格を有する巨人・戸郷翔征投手(20)だ。昨シーズンは1軍で2試合に登板して1勝をマーク。今年はキャンプから先発ローテーション入りが期待されており、オープン戦、練習試合で結果を残し、高卒2年目にして開幕ローテーション入りを勝ち取った。

戸郷は2試合ともにカード初戦で先発

   今シーズン、戸郷が登板した2試合はいずれもカードの初戦で、首脳陣の期待の大きさを物語っている。今シーズン初先発となった6月23日の広島戦ではクリス・ジョンソン投手(35)と投げ合い6回3分の2、2失点で勝ち投手に。続く30日のDeNA戦では6回3分の1を投げ4安打2失点で2勝目をマーク。2試合ともクオリティ・スタート(QS)を達成しており安定した投球が続いている。

   森下、戸郷の対抗馬となりそうなのがDeNAのドラ2左腕・坂本裕哉投手(22)だ。福岡大大濠高から立命館大を経て2019年のドラフト2位で入団。立命館大4年時の春季リーグ戦では5勝をマークし、防御率は驚異の0.84。同リーグ戦ではMVP、最優秀投手賞を獲得し、ベストナインに選出された。

   春のキャンプから首脳陣の評価が高く、なかでも切れ味鋭いスライダーは定評がある。プロ初先発となった6月25日の中日戦では6回1安打無失点でプロ初勝利を記録。この試合の6回2死1、2塁の場面で坂本が暴投し、ベースカバーに入った際に右足首をひねり、翌日の26日に出場登録を抹消された。現在は2軍で調整をしており、今後のさらなる飛躍が期待される。

ヤクルト奥川は1軍出場機会あれば...

   投手で忘れてはならないのが、ヤクルトのドラ1奥川恭伸投手(19)だ。現時点で1軍での登板はないものの、ファームではその実力をいかんなく発揮している。6月30日のイースタン・リーグのロッテ戦では、先発のマウンドに上がり最速154キロを計測。1回を三者凡退で抑えた。球威に加え変化球のコントロールも抜群で、1軍に上がってくれば新人王レースに参戦するのは間違いないだろう。

   野手では中日の郡司裕也捕手(22)が候補に挙がる。慶大から2019年のドラフト4位で入団し、今シーズンの開幕1軍入りを果たした。6月23日のDeNA戦で9回に代打で登場し、プロ初打席初安打を記録。25日のDeNA戦ではプロ初のスタメンマスクを被った。28日の広島戦では途中出場し3打数1安打と、打撃でもアピールしている。今後は加藤匠馬(28)、木下拓哉(28)らと正捕手の座を争うことになり、出場機会を増やすことが当面の目標となる。

   1軍での出場はないものの、セ・リーグ各チームの新人がファームで活躍している。7月2日に行われたウエスタン・リーグの2試合では、中日のドラ1石川昴弥内野手(19)と阪神ドラ2井上広大外野手(19)がそれぞれ公式戦初本塁打を記録。イースタン・リーグではDeNAドラ1森敬斗内野手(18)が対楽天戦でプロ初本塁打を放つなど、ファームの新人からも目が離せない。