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「野手に専念したら20本塁打打てる」 打撃センスで一目置かれる現役投手たち

   指名打者制ではないセ・リーグは投手も打席に立つ。

   かつては堀内恒夫、桑田真澄、川上憲伸ら名投手が何度も殊勲打を放ち、ファンを魅了した。現役の投手たちでも野手が驚くほどの打撃センスを誇る選手は少なくない。

  • 豪快アーチで球場を沸かす投手たち(イメージ)
    豪快アーチで球場を沸かす投手たち(イメージ)
  • 豪快アーチで球場を沸かす投手たち(イメージ)

秋山拓巳の豪快ホームラン

   阪神の秋山拓巳は自己最多の12勝をマークした2017年に度肝を抜くアーチを放っている。8月18日の中日戦。左打席に入って伊藤準規の144キロ直球を振りぬくと、打球は広いナゴヤドームの右翼席中段へ。打った瞬間に本塁打と分かる打球で右翼は一歩も動かなかった。

   秋山は18年5月8日の巨人戦(東京ドーム)でも、山口俊(現ブルージェイズ)の144キロ直球を逆方向の左翼席に叩き込んでいる。愛媛・西条では「4番・エース」で投打の大黒柱だったが、「プロで野手に専念したらシーズン20本塁打打てる」と周囲から太鼓判を押されるほど打撃の評価は高い。

   「文春砲」が話題になってしまったが、同僚の西勇輝も打撃技術が高い。指名打者制のオリックスで09年から18年まで10年間プレーしていたため打席に立つ機会がなかったが、昨季はナゴヤドームの右中間に適時二塁打を放つなど、44打数9安打、打率.205。今季の開幕戦では巨人のエース・菅野智之から東京ドームの左翼ポール上部に直撃する特大弾を放った。

小技もこなすベテラン投手

   ヤクルトの40歳左腕・石川雅規は巧妙な投球術だけでなく、打撃でもチームを救ってきた。通算124安打は現役の投手では最多。ミート能力が高く、広角に打ち返す。03年は1試合複数安打を3度記録、昨季も34打数8安打、打率.235で6犠打と小技もきっちり決めている。打席で粘り、進塁打を放つ姿は投手の打撃で良きお手本だ。

   パ・リーグだが、打撃センスの評価が高いのが上原健太だ。18年6月27日の広島戦(マツダ)で福井優也(現楽天)から右翼席に弾丸ライナーのプロ初アーチを放った。実はドラフト指名時には栗山監督が大谷翔平(現エンゼルス)と同様に「二刀流」の起用を示唆するほど、打撃の評価が高かった。

   この他にも広島・大瀬良大地、中日・柳裕也、小笠原慎之介、ヤクルト・高橋奎二は投手とは思えない鋭いスイングを見せる。「9番目の野手」として投手の打撃にも要注目だ。