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パパラピーズが入構制限中の校内で「隠れ鬼ごっこ」 所属事務所も大学も謝罪

   清泉女子大学(東京都)は、人気ユーチューバーユニット「パパラピーズ」が映画「ぐらんぶる」(2020年8月7日公開)のPRのためにキャンパス内で「隠れ鬼ごっこ」をする動画を公開したことについて、在学生や保護者などから批判が寄せられたと7月26日に公式サイト上で明かした。撮影許可は出していた。

   キャンパスは新型コロナウイルスの影響により、学生の入構制限措置が取られている。動画は27日昼時点で非公開となっており、パパラピーズ・じんじんは自身のツイッターで「この状況下で学校へ通えない学生さんやご家族の方々に不快な思いをさせてしまい申し訳ありません」と謝罪している。

  • 入構制限中の大学で「鬼ごっこ」、ユーチューバー動画が削除(画像は清泉女子大学公式サイトより)
    入構制限中の大学で「鬼ごっこ」、ユーチューバー動画が削除(画像は清泉女子大学公式サイトより)
  • 入構制限中の大学で「鬼ごっこ」、ユーチューバー動画が削除(画像は清泉女子大学公式サイトより)

チャンネル登録者数は100万人超え

   パパラビーズは「じんじん」「タナカガ」の男女2人からなるユーチューバーユニット。7月27日現在のYouTubeチャンネル登録者数は118万人で、インスタグラムメディア「ペトレル」が6月18日に発表した「2020年上半期インスタ流行語大賞」の「YouTuber部門」では2位のフワちゃんを抑えてトップに立った。

   パパラピーズは映画「ぐらんぶる」のPR動画として、7月24日に「大学を貸し切って2人で隠れ鬼ごっこやってみたwww」と題した動画をYouTubeチャンネルで公開。動画の撮影に使われたのは、国の重要文化財に指定されている「旧島津家本邸」を本館とする清泉女子大学の品川キャンパスだった。しかし、新型コロナウイルスの影響により同学では入構制限措置が取られ、6月22日からは学生が事前申請・許可なしで構内に立ち入れない状況が続いていた。

   こうした中、清泉女子大学は7月26日に公式サイトで「本学キャンパスで撮影された動画に関する経緯説明とお詫び」と題したお知らせを掲載。動画の公開後、大学に対し複数の在学生、保護者、卒業生からメールやSNSで問い合わせ、批判が寄せられたと明かし、その多くは「動画の内容やキャンパス使用許可についての違和感、疑義を示すもの」だったとした。

「イメージを損なわない」と撮影許可出したが...

   大学に寄せられた意見としては「どうして使用許可を出したのか」「大学の授業がオンライン体制で行われ、自分たち学生がキャンパスに入れず辛い思いをしているのに、大学が部外者にキャンパス使用を許すのはおかしいのではないか」などがあったとしている。

   大学によれば、7月2日に動画制作の仲介を行う代理店から大学利用の申し込みがあり、企画書を審査したところ「本学のイメージを損なわない」という判断から利用を許可。その後、13日に学内で撮影が行われ、大学側は動画の完成版を公開前にチェックするはずだったという。

   しかし、実際には代理店からの連絡不足で、大学側の映像確認がないまま動画が公開されたとしている。その内容も「想定に反して、本学の大切にしている『建学の理念』やイメージに沿ったものと言えないものでした」だったとし、

「大学に来たくても来られず自宅学習を余儀なくされ、辛く寂しい思いを募らせているであろう学生の皆さんの気持ちを考えると、もっと慎重に対処すべきであった、大事な学生たちへの配慮が十全でなかったと言わざるを得ません。本当に申し訳ありませんでした」

   と謝罪した。

所属事務所「パパラピーズには一切の責任はない」

   大学は7月25日に「迅速な動画削除」を代理店に申し入れたという。こうした中、パパラピーズが所属するGROVEは7月26日に公式ツイッターで当該動画の公開を26日に取りやめたことを発表した。GROVEは「本件で不快に思われた方々へ深くお詫び申し上げます」としながら、「今回題材にさせていただいた作品やパパラピーズには一切の責任はないため、変わらず応援のほどよろしくお願いいたします」とした。

   パパラピーズの2人も一連の騒動について言及している。タナカガは25日夜にツイッターで「昨日の動画の件ですが、関係各所の許可の元撮影させて頂きましたがこの状況の中、学校に通いたくても通えない学生の皆様などに不快な思いをさせてしまい申し訳ございませんでした。今後の動画作成にあたり、見てくださる方や、応援して下さる方のお気持ちに配慮した動画作りを心がけたいと思います」とツイート。

   じんじんもツイッターで「この状況下で学校へ通えない学生さんやご家族の方々に不快な思いをさせてしまい申し訳ありませんでした。撮影は関係者の皆様の許可の元行いましたが視聴者の方々を嫌な気持ちにさせてしまいました。今後皆様に楽しんでもらえる動画はどんなものか真剣に考え動画制作を行います」と投稿している。