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石原慎太郎氏、ALS「業病」発言に異論続出 取材依頼も...関係者通じ「丁重にお断りしたい」

   元東京都知事で作家の石原慎太郎さん(87)が、嘱託殺人の疑いで逮捕された医師2人をツイッターで擁護して、論議になっている。

   2人の行為を「武士道」になぞらえた投稿には異論も多いが、石原さんは、その後は沈黙したままだ。石原さん側に取材しようとしたが、関係者を通じて「丁重にお断りしたい」との連絡が来た。

  • 石原慎太郎さんのツイートが論議に
    石原慎太郎さんのツイートが論議に

ALS患者らは「『死ぬ権利』よりも『生きる権利』を」と訴えたが...

   この事件では、難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)で在宅介護を受けていた京都市内の女性(当時51歳)が2019年11月に亡くなったことについて、京都府警は20年7月23日、女性から依頼を受けて薬物を投与し殺害したとして、仙台市内などの医師2人を逮捕し、経緯を調べている。

   各メディアの報道によると、医師らは、SNSを通じて女性と知り合った。女性は、「死ぬ権利」をネット上で訴え安楽死を望んでいたといい、同様な投稿をしていた医師らに依頼したとみられている。事件の直前には、医師の口座に女性から130万円が振り込まれていたといい、医療行為ではなく報酬目当てだったとも府警は見ているという。

   医師らが主治医ではなく、女性の症状が安定しており死期が迫っていなかったとして、府警は、女性は安楽死ではないとの見方を示したとの報道もあった。女性は、病を克服して生きたいという意思も示していたといい、気持ちが揺れていた面もあったらしい。

   ALS患者や家族らでつくる日本ALS協会は27日、「医療倫理に背く行為であり、二度とあってはならない」などと医師らを批判し、ALS患者でもあるれいわ新選組の舩後靖彦参院議員は23日、「『死ぬ権利』よりも『生きる権利』を守る社会にしていくことが、何よりも大切」だとする見解を出した。

   ところが、石原慎太郎さんは27日、容疑者の医師らを擁護する内容をツイッターに投稿した。

「武士道の切腹の際の苦しみを救うための介錯の美徳」と表現

   石原さんはツイートで、ALSについて、前世の悪行の報いの意味でも使われる「業病」との言葉を使い、「自殺のための身動きも出来ぬ女性が尊厳死を願って相談した」とした。

   容疑者の医師らは、検察がまだ起訴していないが、「二人の医師が薬を与え手助けした事で『殺害』容疑で起訴された」として、「武士道の切腹の際の苦しみを救うための介錯の美徳も知らぬ検察の愚かしさに腹が立つ」と怒りを露わにした。そのうえで、「裁判の折り私は是非とも医師たちの弁護人として法廷に立ちたい」と締め括っている。

   この投稿は、7月28日夕現在で1万件ほどもリツイートされており、賛否両論の意見が寄せられている。

   石原さんに批判的な声も相次ぎ、ツイッター上などでは、「『業病』などという、レッテル貼りをするのは、止めて」「尊厳死とすることは今の日本の法律では認められていない」「お金儲けのための自殺幇助ならば、またそれは違うのでは」といった指摘が出た。

   一方で、安楽死などは認めるべきではないかとの意見も多く、「耐え難い苦痛を感じならから生き続けることの方が不幸」「『幕を下ろす』選択を、自らが自由に選択できるように」「国会議員にはタブーを恐れず法整備をしてほしい」などと書き込まれている。

   石原さんは、様々な意見が寄せられたことについて、ツイッターでは28日19時時点では何も反応していない。J-CASTニュースでは同日、関係者を通じて石原さんに取材しようとしたが、「丁重にお断りしたい」とのことだった。

(J-CASTニュース編集部 野口博之)