J-CAST ニュース ビジネス & メディアウォッチ
閉じる

「男泣き」宮本コーチに「理想の上司」! メルセデス諭す姿に心打たれる

   プロ野球の巨人は2020年8月19日、東京ドームで阪神と対戦し8-0で勝利した。

   先発C.C.メルセデス投手(26)が左ヒジのコンディション不良により2回に緊急降板したものの後続が阪神打線を抑えて完封リレー。打線は阪神先発オネルキ・ガルシア投手(31)に手を焼きながらも7回にビッグイニングを作り完勝。チームの貯金は「12」となり、2位DeNAとの差は4.5ゲームとなった。

  • 画像はイメージ
    画像はイメージ
  • 画像はイメージ

就任当初は「タレントコーチ」と揶揄されることも

   波乱含みの立ち上がりだった。2回、ベンチで宮本和知投手チーフコーチ(56)がメルセデスのもとに歩み寄り言葉をかけた。その直後メルセデスはタオルを頭からすっぽりかぶった。いったんメルセデスのもとを離れた宮本コーチが通訳を伴い再びメルセデスの元へ。メルセデスは宮本コーチの言葉に唇をかみしめながら何度も頷いた。最後は宮本コーチがメルセデスをハグ。そしてメルセデスがベンチ裏に下がった。

   メルセデスがベンチ裏に下がると宮本コーチの瞳にはうっすらと涙が。眼鏡は曇り、鼻をすする場面もみられた。宮本コーチはたまらず眼鏡を外して戦況を見つめるも瞳は真っ赤に染まったまま。わずか34球での緊急降板劇。左ヒジに違和感を覚えながらも続投を望むメルセデスを諭した宮本コーチの「男泣き」はG党の心を鷲掴みにした。ネット上では宮本コーチを「理想の上司」とする声が上がるほどだった。

   宮本コーチは2019年シーズンに1軍投手総合コーチに就任。現役引退後はタレントとして活躍していただけに就任当初は「タレントコーチ」と揶揄されることもあった。そのような声に反してベンチ内で投手を丁寧にケアするシーンは話題を呼び、なかでも新人だった高橋優貴投手(23)へのベンチでの気遣いはG党から「愛が溢れている」と評判となった。そんな宮本コーチの「男泣き」にG党が心を打たれたようだ。

先発陣のコマ不足も心配されるが...

   先発の緊急降板に中継ぎ陣が奮起した。3回から2番手としてマウンドに上がった田中豊樹投手(26)は2回を投げて1安打無失点で切り抜けプロ初勝利をつかんだ。その後は細かい継投策で阪神打線に得点を許さず、8回に中川皓太投手(26)、9回のマウンドにはチアゴ・ビエイラ投手(27)が上がり、完封リレーを完成させた。

   この日は打線が7回に火を噴いた。阪神2番手・望月惇志投手(23)を攻め立て1死3塁から坂本勇人内野手(31)がタイムリーを放ち1点追加。さらに松原聖弥外野手(25)がタイムリーで続き、最後は丸佳浩外野手(31)がレフトスタンドにスリーランを叩き込みこの回5得点。湿りがちだった打線が阪神投手陣から14安打8得点と、緊急事態の投手陣を援護した。

   チーム力の差を見せつけ首位を堅守した巨人。その一方で開幕から先発ローテーションの一角を担ってきたメルセデスが、出場選手登録を抹消される可能性が濃厚となり先発陣のコマ不足が懸念される。今シーズンは野手をマウンドに上げるなど大胆な采配を振るってきた原辰徳監督(62)。その独自の采配でこのままシーズンを突っ走るのか。3連勝がかかる20日の阪神戦は、戸郷翔征投手(20)が先発のマウンドに上がる。