J-CAST ニュース ビジネス & メディアウォッチ
閉じる

井上尚弥よりロマゴン優先 ドネアがスーパーフライ級「王座獲得」を再び目指す理由とは

   ボクシングの世界5階級制覇のノニト・ドネア(37)=フィリピン=が、WBA世界スーパーフライ級王者ローマン・ゴンサレス(33)=ニカラグア=との対戦を熱望している。ドネアは2020年12月12日(日本時間13日)に米国でWBC世界バンタム級王者ノルディーヌ・ウバーリ(34)=フランス=に挑戦する予定で、タイトル戦勝利を見据えてロマゴン戦を熱望している。

  • 画像はイメージ
    画像はイメージ
  • 画像はイメージ

完全なる世界5階級制覇の達成を...

   海外の専門メディア「Boxing Scene」によると、ドネアはウバーリとのタイトル戦後に階級をひとつ下げてスーパーフライ級で王座を目指すという。現在、世界のスーパーフライ級はロマゴンをはじめとし、ファン・フランシスコ・エストラーダ(WBC=メキシコ)、井岡一翔(WBO=Ambition)、ジェルウィン・アンカハス(IBF=フィリピン)ら強豪王者が君臨。その中でドネアはかつての最強王者ロマゴンを指名した。

   ドネアは2007年7月にIBF世界フライ級タイトルを獲得。この王座を3度防衛した後、09年8月にWBA世界スーパーフライ級暫定王座決定戦で勝利し同王座を獲得した。11年2月にはバンタム級、12年2月にはスーパーバンタム級を制し、14年5月にフェザー級王座を獲得して世界5階級制覇を達成。ここ3戦はバンタム級でリングに上がっており、19年11月の井上戦が最後のリングとなっている。

   フライ級からフェザー級まで制したレジェンドが、今になってなぜあえて階級を下げてスーパーフライ級のベルトを狙うのか。「Boxing Scene」によると、ドネアがスーパーフライ級時代に獲得したのは暫定王座だったため、スーパーフライ級の正規王座を獲得することで完全なる世界5階級制覇の達成を目指すという。

「115ポンドの体重を作ることは問題ない」

   ドネアがスーパーフライ級でリングに上がったのは2010年7月のタイトル戦が最後となる。37歳の年齢からいって減量など階級を下げるリスクは高いが、ドネアはウエイトの不安はないと一蹴している。

   19年11月の井上とのタイトル戦の計量でドネアは、バンタム級リミット(53.5キロ)を200グラム下回る53.3キロでパス。ドネアはこの時の状況について「体重が116ポンド(約52.6キロ)だったので少し水を飲んだ」と説明し、「だから115ポンド(スーパーフライ級リミット=52.1キロ)の体重を作ることは問題ない」と語っている。

   ドネアは、ウバーリ戦で勝利してスーパーフライ級でロマゴンの持つベルトを奪う青写真を描いており、その後は井上にリベンジして誰もが認めるバンタム級王者を目指している。さらにスーパーフェザー級王座奪取の夢も捨てていないという。37歳の「フィリピンの閃光」の野望は尽きることがない。