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PUBG MOBILE「賞金総額3億円」のeスポーツリーグ ドコモが乗り出す思惑

   ドコモが2021年2月から、新たなeスポーツリーグ「PUBG MOBILE JAPAN LEAGUE(以下PMJL)」を開催すると発表した。使用されるタイトルは、世界累計6億ダウンロードを達成しているバトルロイヤルゲーム「PUBG MOBILE」だ。

  • ドコモのチャレンジがeスポーツ界を動かすか
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ドコモのチャレンジは、日本のeスポーツ界に新たな風を吹き込むのか

   本リーグは2021年2月から2021年4月にかけてフェーズ1、2021年7月から2021年9月にかけてフェーズ2が開催される。チーム数は16チームで、年間で合計100試合を戦う。試合形式は1チーム4人構成で16チームが同時に対戦を行う。シーズンの賞金総額は3億円と、日本国内のeスポーツリーグ戦としては破格の金額だ。リーグ戦を勝ち抜いたチームはさらに世界大会への出場権を獲得できる。

   日本国内で賞金総額が1億円を超えるeスポーツイベントは「Shadowverse World Grand Prix」や「MONSTER STRIKE GRANDPRIX」などのトーナメント式大会での事例はあるが、リーグ戦ではこれが初めてとなる。

   現在はリーグに参加するチームの募集が行われており、11月18日にオンライン質問会が開催される。その後オーナー募集の一次締め切りが11月27日の23:59まで、最終締め切りが12月10日の23:59に設定されている。

   また、本リーグ戦に参加するプロ選手には賞金とは別に、年間350万円以上の収入が保証される。安心して競技に打ち込むためには必要な措置ではあるが、1チームはサブメンバー含めて5名で構成されており、16チーム全員分で2億8千万円が必要となる。この金額を見るだけでもドコモの意気込みがうかがえる。

ゲーム端末モバイルに...ドコモの計算

   ドコモは2020年8月から10月にかけて、「PUBG MOBILE JAPAN LEAGUE SEASON 0」を開催しており、このときの賞金総額は1000万円となっていた。そこから一気に3億円+2億8千万円へと舵を切った理由は、ゲームに使用されるハードウェアがゲーム機からモバイル端末へと徐々にシフトしていることが大きく影響しているだろう。

   現状でeスポーツに使用されるハードウェアはPC、ゲーム機、モバイル端末の3種が使用されているが、モバイル端末でプレイできるタイトルは場所を選ばず手軽にプレイできるため、ドコモにとっては通信量の増大による収入確保を狙うチャンスともなっている。

   さらにドコモは、世界的な人気を誇るタイトル「League of Legends」の家庭用ゲーム機及びモバイル版である「Wild Rift!」によるリーグ戦を2021年に開催すると発表している。ドコモのチャレンジがeスポーツ界をどのように動かすのか、注目が集まるところだ。

(eスポーツライター 早川清一朗)