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井上尚弥の次戦候補は... 「王者カシメロよりダスマリナス」フィリピンメディアの持論

   ボクシングのWBA、IBF世界バンタム級王者・井上尚弥(大橋)の次戦に注目が集まっている。王座統一路線か、それともIBF指名試合になるのか。井上の動向に世界中が注視するなか、フィリピンメディア「ABS-CBN」はIBF同級1位マイケル・ダスマリナス(フィリピン)が「真の挑戦者」であることを主張し、井上の次戦に関してIBFバンタム級の指名試合を行うよう求めている。

  • 井上尚弥
    井上尚弥
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「ダスマリナスは井上と戦うために1年以上待っている」

   ダスマリナスは2019年3月にIBF世界バンタム級挑戦者決定戦に勝利し、王者への挑戦権を獲得。現在、指名試合待ちの状態にある。「ABS-CBN」の記事では、井上に挑戦する権利を本当に持っているフィリピン人ボクサーが1人いるとすれば、それはマイケル・ダスマリナスである、と主張しており、格闘技評論家のエド・トレンティーノ氏は「ダスマリナスは井上と戦うために1年以上待っている」と語っている。

   フィリピンには井上の標的のひとりであるWBO世界バンタム級王者ジョンリル・カシメロ(フィリピン)が存在するも、「ABS-CBN」の論調は井上の次戦はあくまでもダスマリナス。記事の中でカシメロに関して、井上を追いかけており、井上がカシメロ以外の王者と戦おうとしていることについて多くの発言をしているとし、4月に一度決まった試合が中止になって以降、カシメロはヒートアップしていると解説している。

   井上を取り巻く現状は、ここにきて変化を見せている。主要4団体の王座統一を目指す井上のターゲットとなるのはWBCとWBO王座。WBC王座に関しては当初、王者ノルディーヌ・ウバーリ(フランス)に同級1位ノニト・ドネア(フィリピン)が挑戦する予定だったが、ウバーリが新型コロナウイルスに陽性反応を示したためタイトル戦が中止に。代替として12月19日にドネアとエマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)のカードが組まれた。

WBC王座の行方は混沌

   WBC王座の行方は混沌としており、専門メディア「Boxing Scene」によると、ウバーリと契約を結んでいるMTKグローバルのボブ・ヤレン氏は、WBCはウバーリを休養王者にし、ドネアとロドリゲスのカードが同級王座決定戦になるとの見解を示している。いずれにせよ、WBC王座が「統一」されるまで時間がかかりそうで、井上が王座統一路線を選択するならばWBOを優先する可能性が高い。

   井上の次戦は王座統一路線ならばカシメロ、IBFの指名試合ならばダスマリナスが有力となる。ただ、指名試合に関しては、井上陣営に多くの時間は残っていない。「ABS-CBN」の記事が指摘するようにダスマリナスは1年以上も待たされている。IBFは主要4団体のなかでもルールに厳格な団体として知られており、井上が王座を保持する限り今後、必ず指名試合をクリアしなければならず「その時」は迫っている。