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ホークス強すぎて20億円が飛んだ!? 「全勝」日本一で経済効果を下方修正

   福岡ソフトバンクホークスが日本シリーズで4連覇したことを受け、福岡県は2020年11月25日、ホークス日本一による県内経済波及効果は約274億円に上るとの試算を発表した。

   県はリーグ優勝、クライマックスシリーズ(CS)直後にもそれぞれ試算を発表しており、今回の数字は3回目だが、前2回より「億円」単位で少ない数字となっている。設定試合数の全消化を前提に試算していたが、CS・日本シリーズともに全勝という「強すぎるホークス」のために実際の試合数が減り、経済波及効果も減った。下方修正額には、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため優勝パレード実施を見送った影響も含まれている。

  • 福岡ソフトバンクホークスの4連覇から一夜明けた福岡ペイペイドーム。4連勝で優勝が決まった
    福岡ソフトバンクホークスの4連覇から一夜明けた福岡ペイペイドーム。4連勝で優勝が決まった
  • 福岡ソフトバンクホークスの4連覇から一夜明けた福岡ペイペイドーム。4連勝で優勝が決まった

338億5000万円→282億8000万円→274億円

   県はリーグ優勝直後の10月27日、経済波及効果は338億5000万円になるとの試算を発表。その大半が「優勝記念セール等による売り上げ増加」255億6000万円。百貨店・スーパー、専門店での売り上げ増加や、テレビの放映権料、スポーツ紙の売り上げ増加を見込んでいる。「優勝パレード観客消費額(例年どおりの規模で行われた場合)」として、約43億円も見込んだ。

   観客の消費増加による波及効果は約30億円。試算項目は「チケット代、交通費、宿泊費、飲食費、みやげ代」で、CSでの消費21億円、日本シリーズでの消費18億9000万円を見込んでいた。なお、CSと日本シリーズの試算の前提は、それぞれ

「ペイペイドームで4試合開催。観客数を収容率上限の20%、2万人であると算定」(CS)
「ペイペイドームで3試合、ビジター球場で4試合開催し、4勝3敗で福岡ソフトバンクホークスが優勝。ペイペイドーム開催分は、観客数を収容率上限の50%、2万人であると算定」(日本シリーズ)

というものだった。だが、11月2日になって、新型コロナウイルスの影響で、優勝した場合の成績にかかわらず、パレードは行われないことが発表された。さらに、試算の前提になった試合も少なくなった。CSではソフトバンクが2連勝し、アドバンテージ1試合分と合わせて先に3勝したため、2試合でCS突破が決定した。そのため、CS突破を受けて11月15日に発表された試算ではCSによる経済効果は11億1000万円に下方修正された。パレードの経済効果も削除され、経済効果の合計は282億8000万円だとされた。

   10月27日と11月15日の試算では7試合の開催を見込んでいた日本シリーズではソフトバンクが無傷の4連勝。18億9000万円だった日本シリーズの観客消費による経済効果は11億7000万円に下方修正され、経済効果の合計は274億円だとされた。当初試算に比べ、パレード効果分を除けばホークスの「全勝」による最短優勝のために約21億5000万円が下方修正された計算になる。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)