「絶対王者」SBの対抗馬はどこなのか ロッテ？楽天？元コーチに聞いた結果は...

   プロ野球のパ・リーグ公式戦が2021年3月26日に各地で開幕する。

   昨シーズンのパ・リーグはソフトバンクがリーグ優勝を果たし、日本シリーズではセ・リーグ覇者・巨人を圧倒し日本一に輝いた。今年のパ・リーグは、メジャーリーグのヤンキースから楽天に復帰した田中将大投手（32）やプロ2年目のロッテ佐々木朗希投手（19）らに注目が集まり、開幕前から盛り上がりを見せている。

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  「絶対王者」を阻むチームは？

「改めてソフトバンクの底知れぬ選手層の厚さを...」

   今春のオープン戦では王者ソフトバンクが順調な調整ぶりを見せた。投手力、攻撃力ともにリーグで抜き出るソフトバンクが連覇を果たすのか、それを阻むチームは出てくるのか。J-CASTニュース編集部は、巨人、楽天、西武などでコーチを歴任した橋上秀樹氏（55）に2021年シーズンのパ・リーグ順位予想をしてもらった。

   橋上氏は今季もソフトバンクがパ・リーグを制すると予想した。投打に渡る圧倒的な戦力、そして選手層の厚さ。王者の揺るぎない強さは今季も健在だ。

「ソフトバンクはとにかく選手層が厚い。ここまで調整が遅れている選手が何人かいますが、それを補って余るだけの選手層があります。オープン戦を見ても何人控えがいるのだろうという感じでした。

改めてソフトバンクの底知れぬ選手層の厚さを感じました。今年もソフトバンクがパ・リーグの中心となるのは変わらないと思います」（橋上氏）

楽天・田中、早川は期待が大きいだけに物足りなさも

   橋上氏がソフトバンクに次ぐ2番手とするのが楽天だ。

   涌井秀章（34）、岸孝之（36）、則本昂大（30）ら充実した先発陣に加え、今季は田中がチームに復帰。ドラ1ルーキー早川隆久投手（22）は先発ローテーションの一角として期待されており、リーグトップクラスの投手力を誇る。

「田中投手と早川投手の期待が大きかった分、オープン戦では2人とも少し物足りなさを感じました。それでも2人の加入は間違いなくプラスになっています。楽天は他球団と比較しても投手力は整っていて、現在の戦力が故障なくシーズンを過ごせれば、チームとしての投手成績は上位に来るでしょう。ソフトバンクとの差は攻撃力にあります。浅村選手や鈴木大地選手など好打者が揃っていますが、走力、得点力という点においてはまだソフトバンクに及ばないでしょう」（橋上氏）

   橋上氏がパ・リーグの「ダークホース」として期待を寄せるのが西武だ。橋上氏は西武を3位と予想するも、攻撃的布陣が機能すれば「ソフトバンクをまくれる可能性はある」と指摘する。

「西武の攻撃力はソフトバンク投手陣からしても脅威」

「ある意味、西武がダークホース的な存在になると思っています。高橋光成投手が1本立ちして開幕投手になるまでに成長しました。１つ柱が出来たのが大きい。他の投手陣に関しては未知数なところはあるが、西武は打撃陣が強力なので、打撃陣が投手を育てることのできるチーム。防御率4点台でも勝ちが先行する投手が出てきやすいのが西武の特徴です。それほどの攻撃力がある。楽天にとってかわってソフトバンク追撃の1番手になる可能性もあります」（橋上氏）

   また、橋上氏は打倒ソフトバンクに向けて山川穂高内野手（29）と森友哉捕手（25）の復調が必要不可欠であると指摘する。

「西武の攻撃力はソフトバンク投手陣からしても脅威でしょうし、おそらく西武と対戦するのが一番嫌なはず。昨シーズンは山川選手、森選手の成績が良くなかった。ソフトバンクを超えるにはこの2人が打撃のタイトルを取るくらいの奮起が求められます。西武のプラスアルファとなる打線の爆発力はなかなか計算できないが、爆発力でいえば楽天よりも上を行く」（橋上氏）

昨シーズン最下位オリックスは若手投手に期待

   橋上氏が4位と予想したのは、昨シーズンリーグ最下位のオリックスだ。

「4位にはオリックスを推したい。オリックスには山本投手、山岡投手、田嶋投手ら若くて伸びしろがあり、これから楽しみな投手が多いです。オープン戦をみてみると攻撃力に物足りなさを感じるが、投手力は整ってきています。投手力を全面に出せれば4位までは十分に上がれると思う。西武とは逆に投手で試合を作って少ないチャンスで得点する。このような展開を多くできればある程度勝ち星を重ねていくことが出来るでしょう。堅実な試合が出来れば5割近辺でいけると思います」（橋上氏）

   橋上氏はロッテを5位、日ハムを6位と予想。また、ロッテの佐々木朗希投手については「1軍で十分勝てる」と高く評価し、今シーズンの活躍に期待を寄せた。

「ロッテは昨シーズン2位までいきましたが、今年は昨年と比べて上積みが感じられません。注目の佐々木投手はローテーションで回していくのは体力的にも難しいでしょうが、1軍で十分勝てると思います。ローテーション投手に向けて着実に段階を踏んできているように見えます。投球フォームもだいぶ固まってきているし、いい形での進化がみられます。

日ハムに関してはオープン戦をみてもパ・リーグのチームが上位を占めているなかで、なかなか勝ち星を挙げられないでいた。エースの有原投手が抜け、チームに残留した西川選手が精彩を欠いている。上に推せる要素があまり見当たらないというのが正直なところです」（橋上氏）