J-CAST ニュース ビジネス & メディアウォッチ
閉じる

オープン戦とはまるで別人...楽天・早川隆久が見せた「対応力」 元ヘッドも絶賛「あまりの完成度に驚いた」

   プロ野球・楽天のドラフト1位ルーキー早川隆久投手(22)がプロデビュー戦を華々しく飾った。

   楽天は2021年3月28日、楽天生命パークで日ハムと対戦し、早川が先発のマウンドに上がった。早川は毎回となる8奪三振で6回4安打無失点。104球を投げ抜いてプロ初先発初勝利を飾った。

  • 早川隆久投手(写真:望月仁/アフロ)
    早川隆久投手(写真:望月仁/アフロ)
  • 早川隆久投手(写真:望月仁/アフロ)

「アジャストする能力に長けている」

   楽天の先発ローテーションの一角として大きな期待がかかるルーキーが、プロ初先発で見事に結果を残した。プロとしてスタートを切ったばかりとはいえ、堂々たる投球にファンの期待は高まるばかりだ。

   J-CASTニュース編集部は、楽天の元ヘッドコーチである橋上秀樹氏(55)に早川の投球を分析してもらい、今後の可能性について聞いた。

   注目の初回、日ハム先頭の西川遥輝外野手(28)を147キロのストレートで空振り三振に切って取ると、近藤健介外野手(27)を二ゴロ、渡辺諒内野手(25)を三ゴロに打ち取り3人で終わらせた。

「オープン戦と比べてあまりにも完成度が高くて驚きました。オープン戦では変化球の時に腕が緩んだと本人が言っていたが、そういったものは一切見られなかった。コントロールにしても球威にしても色々なことに対してアジャストする能力に長けていると感じました」(橋上氏)

元ヘッド「全ての球種が良かった」

   この日の早川の投球で橋上氏が目を見張ったのは左打者への対応だという。

「この日の投球で一番感心したのは、左打者へのインコースへの制球力と左打者にためらいなくチェンジアップが使えることです。左投手のなかには、左打者に対して壁がないとか抜けたら当ててしまうという恐怖心からチェンジアップを投げにくいという投手もいる。早川投手にはそれが見られなかった。もともと球威、球種においてバランスの良いレベルの高い投手だが、インコースへの制球もしっかり出来ていた」(橋上氏)

   多彩な球種を持つ早川だが、橋上氏は「全ての球種が良かった」と絶賛し、マウンド上での「対応力」についても称賛の声を惜しまなかった。

「球種については、真っすぐにしろ、カット、スライダー、チェンジアップなどカウント球でも勝負球でも使えるような制球力があった。ゲームの途中から雨が強くなり、グランド状態が悪くなりバランスを崩しやすいマウンドになったが、バランスよく投げていた。ストレートの球威こそ落ちたが、制球重視に切り替えての投球が出来ていた。変化に対する対応力も備わっている。満塁の場面では、普通は焦りや気負いが出るが、冷静さが際立っていた」(橋上氏)

「田中投手のマイナスを埋めるプラス要素になる」

   今シーズンの楽天は、メジャーリーグのヤンキースから田中将大投手(32)がチームに復帰し、先発陣の層がより厚くなった。ただ、その田中は右ふくらはぎを痛め予定していた3月27日の登板を回避。試合復帰まで3週間を要する見込みだ。

「早川投手の好投は出遅れた田中投手のマイナスを埋めるプラス要素になる。田中投手が痛めた場所が場所だけに不安がありますが、早川投手の好投に対して一番ホッとしているのは石井監督だと思います。早川投手は次回以降、さらにいいものが出ると思いますし、田中投手の穴を埋められるくらいの活躍が期待出来るでしょう」(橋上氏)