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緊急事態宣言なのにキャンセルできない ピーチ&ZIPAIRでシステム障害、未だ復旧のメド立たず【追記あり】

   国内の格安航空会社(LCC)2社で、丸5日以上にわたってチケットの予約や変更、キャンセルができない状態が続いている。米企業が提供する予約システムのトラブルが原因だ。

   大型連休の予約は2020年に比べて大幅に増えていたが、21年4月25日から東京、大阪、京都、兵庫の4都府県に対して3回目の緊急事態宣言が発令されている。多数のキャンセルが見込まれる局面だが、 26日夕時点で復旧のメドは立っていない。

  • ピーチではチケットの新規予約、変更、キャンセルができない障害が丸5日以上にわたって続いている。運航自体に影響はなく、すでに予約している人はそのまま搭乗できる(写真はピーチ機、2020年7月撮影)
    ピーチではチケットの新規予約、変更、キャンセルができない障害が丸5日以上にわたって続いている。運航自体に影響はなく、すでに予約している人はそのまま搭乗できる(写真はピーチ機、2020年7月撮影)
  • ピーチではチケットの新規予約、変更、キャンセルができない障害が丸5日以上にわたって続いている。運航自体に影響はなく、すでに予約している人はそのまま搭乗できる(写真はピーチ機、2020年7月撮影)
  • ZIPAIR(ジップエア)は国際線のみの運航だ(2020年7月撮影)

フライト自体は通常運航、予約がある人はそのまま乗れる

   国内で影響を受けているのは、ピーチ・アビエーションとZIPAIR(ジップエア)の2社。それぞれ4月21日8時45分、13時頃に障害が起き、それが解消されない状態が続いている。障害の内容は、新規予約、変更、キャンセルができないというもの。両社とも、これらの手続きは障害復旧後に受け付ける。キャンセルができないまま予約した便が出発してしまった場合、出発前に申し出があったものとして復旧後にキャンセルを受け付ける。運航そのものに影響は出ておらず、障害が起きる前にチケットを買った乗客は、そのまま搭乗できる。

   障害の原因は、両社が契約している米ラディックス社(フロリダ州オーランド)のクラウドベースの予約システム「Radixx Res」の障害だ。ラディックス社の4月22日(現地時間)の発表によると、4月20日にアプリの異常な挙動が発覚。調査の結果、システムに侵入したとみられるマルウェア(悪意のあるプログラム)が原因だと判明した。顧客情報の漏えいはなかったとしている。影響を受けているのは、日本の2社を含む約20社。発表では「本日中に復旧作業を開始予定で、その作業は数日間続く予定」だと説明していたが、障害発生から丸5日が経過しても障害は続いている。

大型連休には8万7000人の予約が...

   影響を受ける乗客数は明らかではない。ただ、ジップエアが元々国際線しか運航していないのに対して、ピーチは現時点では国内線のみ運航している。国際線に搭乗するハードルが高いことを踏まえると、ピーチの方が影響が大きいのは明らかだ。

   ジップエアによると、障害が起きた4月21日~26日の間に入っている予約は100件程度。一方、ピーチの4月23日の発表によると、大型連休期間(4月29日~5月5日)にピーチの便を予約しているのは、20年度の9.5倍にあたる8万7287人にのぼる。

   23日には、3回目の緊急事態宣言が決まっており、大型連休の旅行をやめる動きが加速する中でのシステム障害だ。両社とも、「システム会社と連携して対応にあたっている」などと話している。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)


(4月27日13時40分追記)
   4月27日正午、ピーチのシステムは復旧した。

(4月28日10時10分追記)
   4月28日10時、ジップエアのシステムは復旧した。