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なぜ人は「サバイバルオーディション番組」に熱狂するのか Twitterから見たブームの構造

Togetter社が解説する「3分くらいで分かる週刊Twitterトレンド」<出張版>

   J-CASTニュース読者のみなさま、おはようございます。ツイートまとめサービスTogetter(トゥギャッター)を運営しているトゥギャッター株式会社です。

   まいにち朝から晩までTwitterに張り付いているTogetterの編集部スタッフがTwitterで話題になった最新の話題を厳選し、簡潔にまとめてお届するコラムの第2回をお届けします。今回のテーマは「サバイバルオーディション番組」です。

   「NiziU」は知ってるけど、彼女たちを生んだ番組まではわからない......という人も多いと思いますが、韓国では15年ほど前からサバイバルオーディション番組のブームが続いています。近年はファンによるSNS投稿の影響力が強くなり、どれだけ「バズるか」が番組の行方にも影響を与えるように。

   そこで、Twitterという側面からサバイバルオーディション番組を解説していきたいと思います。

  • 「NiziU」もオーディション番組から生まれたスターだ(画像は2ndシングル「Take a picture/Poppin’ Shakin’」ジャケット)
    「NiziU」もオーディション番組から生まれたスターだ(画像は2ndシングル「Take a picture/Poppin’ Shakin’」ジャケット)
  • 「NiziU」もオーディション番組から生まれたスターだ(画像は2ndシングル「Take a picture/Poppin’ Shakin’」ジャケット)

サバイバルオーディション番組の歴史

   サバイバルオーディション番組は、大勢のアイドル練習生たちが、視聴者に見守られながらミッションに挑戦し、デビューするメンバーに選ばれることを目指すという形式が一般的です。

   特に有名なのが視聴者を「国民プロデューサー」と呼び、練習生への投票でデビューメンバーを決める韓国発の『PRODUCE 101』シリーズ。「プデュ」という愛称で親しまれ、日本版や中国版も制作されました。

   IZ*ONEやJO1といったアイドルグループも、このプデュシリーズから生まれたものです。Twitterでは日本のHKT48からIZ*ONEに移籍したメンバーである宮脇咲良さんの変貌ぶりが話題になったことも。

<HKT48から韓国アイドルグループに移籍したメンバーの変身ぶりが凄すぎて泣ける「かわいすぎ→美しすぎ」「女の子は魔法使いだな」 - Togetter>

中国で行われたサバイバルオーディション番組がケタ違いだと話題に

   そして、サバイバルオーディション番組関連で度肝を抜かれるのが、中国のアイドル市場が持つ桁違いの資金力。

   多くの番組では練習生たちの宿舎での共同生活を放映し、練習生同士の絆が深まっていく様子も見どころのひとつなのですが、前述のプデュシリーズの中国版『創造営2020』のセットはまるでテーマパークのようで、「もはや城」と言いたくなるレベル。

   ここまで豪華なセットを用意する番組はそうそうあるものではなく、「中国プデュは一味違う」とTwitterで盛り上がっていました。

<中国のアイドルオーディション番組のセットが豪華すぎる「宿舎というよりただの城」「ディズニーか」 - Togetter>

「絶対にデビューしたくない練習生」がバズる

   そんな中国では、先述の『創造営』の2021年版で「通訳スタッフとしてやってきたはずの男性がイケメンすぎて無理やりオーディションに参加させられる」という事態まで発生。でもそのリルーシュさん、オーディションに参加させられるのも納得のルックスなんです。

リルーシュさん(本人のweiboアカウントより)
リルーシュさん(本人のweiboアカウントより)

   サバイバルオーディション番組ではファンによる投票がデビューのカギ。リルーシュさんは応援したいけど、彼のことを思うと......というファンたちの投票放棄によって、彼は無事(?)デビューせずに済みました。

<通訳に来たはずが顔が良すぎて急遽アイドルオーディション番組に参加させられることになり、帰国したいのに100万人のファンを獲得してしまい帰れない男 - Togetter>

なぜここまで人々はサバイバルオーディション番組に熱狂するのか

   人々がサバイバルオーディション番組に熱狂する理由のひとつは、やはり「練習生をデビューさせる影響力をファンが持っている」という点にあるのではないでしょうか。

   番組の放送期間中には、同じ「推し」練習生を応援するファンたちがSNSなどをきっかけに繋がり、「ファンダム」というファンの団体が形成されることがよく見受けられます。

   2019年に放送されJO1というグループが誕生した日本版の『PRODUCE 101 JAPAN』では、海技士を退職して参加した練習生・安藤誠明さんを応援するために #おれはお前を海に返さない といったハッシュタグが作られ、ファンたちの応援ツイートそのものがおもしろい、と注目を集めました。

<世界よ安藤誠明くんを見つけてくれ #おれはお前を海に返さない #PRODUCE101JAPAN - Togetter>

応援する練習生の「広告」を出すファンも

   現在放送中の『PRODUCE 101 JAPAN SEASON2』でも、自分の「推し」練習生の布教シートを作り、拡散することでその魅力を発信しているファンがSNS上で見受けられます。

   また、ファンダムで資金を集め、練習生を応援する広告を出すことも応援方法のひとつとして定着。駅の広告エリアを利用したものからアドトラックまで活用されており、ファンの情熱がひしひしと感じられます。

   このようにファンが出資して応援広告を出す、という手法は韓国では主流のアイドル応援法であり、日本は番組とともに応援のしかたまで柔軟に取り入れているようです。

   視聴者による投票でデビューするメンバーが決まるシステムだからこそ、SNSをきっかけにファンたちが繋がり、大きな影響力を持つ。その影響力が番組を超えてTwitterで話題になる......そのあたりがサバイバルオーディション番組をよりおもしろくしているのではないでしょうか。

<羨ましい...〇〇が格安の韓国ならでは!大々的に宣伝できちゃうアイドルの応援方法。ソウル屈指の若者の街の様子がスゴイ- Togetter>

<【日プ2】笹岡秀旭の応援広告などをまとめてみました。(活動記録) - Togetter>

   投票自体はネットで誰でもできるので、この記事を読んで興味がわいた方は一度直感で投票してみると新しい扉が開けるかもしれません。以上、「3分くらいで分かる週刊Twitterトレンド」でした!次回もお楽しみに。

Togetter編集部