J-CAST ニュース ビジネス & メディアウォッチ
閉じる

「投手コーチは疑問を感じないのか」 巨人・原監督が固執する「マシンガン継投」に懸念の声

   プロ野球の巨人は2021年6月8日、京セラドームでオリックスと対戦し3-3で引き分けた。

   巨人は先発・今村信貴(27)が5回3安打無失点で試合を作り、6回から継投に入った。2点リードの8回に6番手・中川皓太(27)がオリックス打線につかまり3失点。9回に同点に追いつくも、巨人は球団史上最多の9投手をつぎ込んで痛恨のドローに終わった。

  • 原辰徳監督(2014年撮影)
    原辰徳監督(2014年撮影)
  • 原辰徳監督(2014年撮影)

球団史上最多「投手リレー」もむなしく...

   2点リードで迎えた8回、セットアッパー中川が炎上した。

   1死後、モヤ(29)を四球で歩かせると続く安達了一(33)にレフト前に運ばれ1、3塁のピンチに。ここでこの日1軍に復帰したばかりのジョーンズ(35)にタイムリーを許し1点を献上。紅林弘太郎(19)をショートフライに打ち取り2死とするも、その後連続タイムリーを浴び計3点を失い降板した。

   中川に代わって8回2死1、2塁の場面でマウンドに上がった7番手・桜井俊貴(27)は、宗佑磨(25)を四球で歩かせ、1死も取れずわずか9球で降板。その後、戸根千明(28)が8番手として登場し、吉田正尚(27)をサードフライに打ち取り2死満塁のピンチを切り抜けた。

   3-3の同点で迎えた最終9回は、ビエイラ(28)がマウンドを託された。先発の今村から数えてこの日、巨人が起用した9人目の投手で、延長を含めて球団史上最多となる「投手リレー」となった。

不安視される中継ぎの「勤続疲労」

   この日は先発の今村に始まり、畠、鍵谷、大江、高梨、中川、桜井、戸根、ビエイラがマウンドに上がった。ベンチの想定外だったのは中川の乱調だろう。中川はこの日がリーグトップタイの30試合目(チームは59試合目)の登板で「勤続疲労」が不安視されていた。そのなかで2点を守り切れず8回途中で降板した。

   今季、原辰徳監督(62)は中盤から終盤にかけて細かい継投でしのぐケースが多くみられる。先発投手の見切りも早く、その分、中継ぎ陣に負担がかかっている。また、勝負どころでは積極的にワンポイント起用し、惜しむことなく投手陣をつぎ込んできた。

   巨人は今季10度目のドローとなったが、ここ2試合は連続して9回に同点に追いつかれている。6月1日の西武戦は9回に3点を奪われ、3日の西武戦でも9回に2点差を追いつかれ引き分けに終わっている。そしてこの日はベンチの信頼が大きい中川が打たれ試合をひっくり返された。

   原監督の「マシンガン継投」についてプロ野球関係者は「原監督は気前よく投手を使いすぎている」と指摘し、「ベンチの中のことは分かりませんが、投手コーチはこのような投手起用に疑問を感じないのかと思います。このままでは中継ぎ陣が夏まで持つか分からない。中川も相当疲労がたまっていると思います」と語った。

   6月8日時点で首位・阪神との差は4ゲームで、3位ヤクルトは2ゲーム差に迫っている。首位奪回に向けて原巨人の踏ん張りどころだ。