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「筒香ショック」で市場価値が暴落? 鈴木誠也のメジャー挑戦に米スカウトから懸念の声

   米大リーグ・ドジャースが2021年6月10日(日本時間)、筒香嘉智外野手を右ふくらはぎの張りで負傷者リスト入りしたことを発表した。

   筒香はレイズで2年契約の最終年を迎えた今季、26試合の出場で打率.167、0本塁打、5打点。5月11日にロースター40人枠から外れ、事実上の戦力外となり、ドジャースに移籍した。

  • 筒香嘉智(写真:AP/アフロ)
    筒香嘉智(写真:AP/アフロ)
  • 筒香嘉智(写真:AP/アフロ)
  • 鈴木誠也のメジャー挑戦に暗雲?(写真:Penta Press/アフロ)

筒香をめぐる状況は「厳しい」

   移籍2戦目の本拠地・ダイヤモンドバックス戦で4番に抜擢されるなど首脳陣の期待が大きかったが、移籍後に出場した12試合で25打数3安打、打率.120、0本塁打、2打点と結果が出ていなかった。

   ドジャースは筒香の負傷者リスト入りとあわせて、先発右腕のトニー・ゴンソリンの復帰も合わせて発表。投手力強化のためにゴンソリンを昇格し、故障が理由ではあるが、打撃不振の筒香が外れる格好となった。

   現地の通信員は

「ドジャースはDeNAで活躍していた時の筒香を見ています。メジャー挑戦を表明した時も評価は高く、レイズでは結果が出なかったが十分に再生できると踏んで獲得した。
でも状況は厳しいですね。150キロを超える直球にアジャストできないという課題が解消できていない。日本では変化球を巧く拾って打っていましたが、メジャーの一線級は変化球のキレも違う。来季は日本球界復帰が濃厚でしょう」

と分析する。

大谷以外全滅?苦戦する日本人野手

   ダルビッシュ有、前田健太ら日本人投手は米国で実績を積んで信頼を勝ち取っているが、野手は苦戦している。筒香だけでなく、西武で球界屈指の安打製造機として活躍したレッズ・秋山翔吾も左太もも裏痛で開幕から出遅れた影響で、外野のレギュラーをつかめていない。投打の「二刀流」で、17本塁打をマークしているエンゼルス・大谷翔平は別格だろう。

   このような状況で、「メジャーに最も近い日本人野手」と評価が高い広島・鈴木誠也の市場価値にも影響が出そうだ。

   19年に打率.335で首位打者を獲得するなど、16~20年に5年連続の打率3割、25本塁打以上とプロ野球史上4人目の記録を樹立。侍ジャパンの稲葉篤紀監督も東京五輪の4番候補に挙げるなど全幅の信頼を置く。今オフにもポスティングシステムによるメジャー挑戦を球団に志願する可能性がある。

   メジャーのあるスカウトは鈴木をこう分析する。

「ボールへのコンタクト能力に優れた打者で外野の守備も強肩で十分に通用する。ただスタッツ(成績)を見ると、シーズンで30本塁打を超えた年が18年しかない。ホームランバッターではなく、中距離打者でメジャーでは15~20本塁打ぐらいではないか。
筒香が米国で良い結果を出せず、日本人野手の市場価値が落ちることもあり得る。獲得に慎重な球団も出てくるだろう。クォリティーの高さに定評がある日本人投手ほどは評価が高くないと考えた方がいいかもしれない」

   低迷する広島で奮闘するが、来季はいばらの道を覚悟してメジャーに挑戦するか。その動向が注目される。(中町顕吾)