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五輪選手「ワクチン拒否」に見るジレンマ 安心安全とアスリートファーストは両立できるか

   東京五輪の米国競泳男子代表マイケル・アンドリュー(22)が、新型コロナウイルスのワクチン接種を受けないことを表明した。米ワシントンポスト紙(WEB版)など米メディアが2021年7月9日に報じた。

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IOC約8割のワクチン接種で「安心安全」アピール

   アンドリューは50メートル自由形、100メートル平泳ぎ、200メートル個人メドレーで代表に選出され、東京五輪では金メダル候補に挙げられている。

   ワシントンポストによると、アンドリューはワクチン接種を受けないことについて「自分がどう反応するかわからないものを自分の体に入れたくありませんでした。エリートレベルのアスリートとして、私たちが行う全てのことは綿密に計算されています」と主張し、ワクチン接種によるトレーニング停止のリスクを取りたくなかったとしている。

   国際オリンピック委員会(IOC)は選手のワクチン接種を奨励しているものの義務付けておらず、選手個人の判断に任せている。

   IOCは東京五輪に出場する選手や指導者の約8割がワクチンの接種が出来るとの見通しを立てており、「安心安全」な大会をアピールしている。

英国でも一部選手がワクチン接種拒否の姿勢

   ホスト国である日本では、選手の新型コロナウイルスのワクチン接種はすでに6月1日に開始されている。日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長は日本代表や代表候補選手の約95%がワクチン接種を受ける見通しであることを明かしており、接種の対象者は約1600人となる。

   一方海外ではアンドリュー同様にワクチン接種による副反応を懸念し、ワクチン接種を拒む選手も存在する。

   英紙「ガーディアン」(WEB版)は6月25日に「一部の英国五輪代表選手は副反応の恐れを理由に新型コロナウイルスのワクチン接種を拒否している」とのタイトルで英国代表の実情を報じている。

   東京五輪に出場する代表選手のワクチン接種はあくまでも個人の判断に委ねられており、今後アンドリューのようにワクチン接種を拒否する選手が出てくる可能性もある。大会開会式まで2週間を切り今後、各国代表チームが続々と来日する。東京五輪は「安心安全」「アスリートファースト」を掲げ大会準備に取り掛かっている。