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東京オリンピックより「大谷を見せろ」 NHKの「五輪優先シフト」に野球ファン嘆き

   大谷を見せろ――。

   東京オリンピックをめぐって、ツイッター上の野球ファンから嘆きの声が聞かれている。

   前半戦まで米大リーグ・エンゼルスの大谷翔平選手の試合をたびたび中継してきたNHKは、五輪の試合放送へ本格シフト。結果的に、大谷選手の試合中継が「犠牲」になっている。

  • 大谷翔平選手(2017年)と東京五輪・パラリンピックの旗(2021年)
    大谷翔平選手(2017年)と東京五輪・パラリンピックの旗(2021年)
  • 大谷翔平選手(2017年)と東京五輪・パラリンピックの旗(2021年)
  • 五輪と大谷選手の活躍、観たいのはどっち?

五輪中の大谷中継、副会長は「検討」としていたが...

   大谷選手はここまで(2021年7月22日時点)、打率.274、34本、74打点、12盗塁の活躍 。ホームラン数はメジャートップだ。投手としては14試合に先発し、4勝1敗、防御率3.21でチームのエース格として奮闘。投打の二刀流として、異次元の活躍を続けている。オールスターゲーム(日本時間7月14日)では、大リーグを代表する数々のスター選手からサイン攻めにあった。

   日本のテレビも、そんな大谷選手の活躍を熱心に伝えてきた。前半戦のエンゼルス戦は、NHKがBS1でたびたび中継。13日には、異例となる大谷選手出場のホームランダービーの生中継がNHK総合で放送された。

   しかし、後半戦に入ると状況は一転する。日本時間17日にはNHK BS1で中継が行われたものの、注目された18日のマリナーズ・菊池雄星投手との「花巻東高」対決は中継なし。20日の大谷選手の先発登板試合も、放送されなかった。

   18日と20日の試合中にNHK BS1で放送されていたのは、いずれも五輪に関する特番だった。そして、22日以降、エンゼルスの試合がある時間にはサッカー(23日)、ホッケー(24日)、ボクシング(25日)、フェンシング(26日)、ハンドボール(27日)と五輪の試合放送が予定されている。

   7月1日のNHK定例会長会見では「期間中、メジャーリーグの大谷選手の活躍を見たいという声もあると思うが」という記者の質問に対し、NHKの正籬聡(まさがき・さとる)副会長は「どういうふうにオリンピック・パラリンピックと大谷選手の活躍の両方を伝えることができるか、いま現場で検討してもらっています」と答えていた。

   だが、少なくとも7月下旬は、大谷中継よりも五輪が優先された形だ。ツイッター上の野球ファンの間では「大谷を見せろ」「大谷くんの中継してよ!ったく、信じらんない」「オリンピックなんかより断然大谷の試合の方が観たいでしょ」と嘆きの声が広がっている。

データにも表れる「五輪より大谷」の声

   この「オリンピックなんかより断然大谷の試合の方が観たい」という声の多さは、データにも表れている。

   J-CASTニュースは7月1日からサイト内で、今夏に「東京五輪(パラリンピック)」と「大谷翔平選手の活躍」のどちらを観たいかを問う読者アンケートを実施。20日16時までに3188票が集まった。(選択肢は「東京五輪(パラリンピック)」「大谷翔平選手の活躍」「どちらも観たい」「どちらも観たくない」の4つ)

   最終結果は「東京五輪(パラリンピック)」が346票だったのに対し、「大谷翔平選手の活躍」は896票。トリプルスコアに近い票数で、大谷の活躍が支持されたのだ。(「どちらも観たくない」は1783票、「どちらも観たい」は163票だった)

   ただ、7月1日からはインターネットテレビ「ABEMA」が、エンゼルス戦など大リーグの試合の無料中継をはじめていることもあり、「大谷選手が観たくても観られない」という状況は回避できそうだ。

   大谷翔平と東京五輪・パラリンピック。今夏のスポーツの主役は、どちらになるのだろうか。