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改札機の浸水故障防いだ「隠し機能」が話題 きっかけは過去の災害...JR西・岡山支社明かす設置背景

   JR西日本・岡山支社が災害対策として駅の改札機に施した「ある機能」を公開し、意外な対策法にネット上で驚きの声が上がっている。

  • ツイッターアカウント「くまなく・たびにゃん(JR岡山支社)【公式】」(@Okayama_JR)より
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「災害に立ち向かう根性がある」

   話題のきっかけとなったのは、JR岡山支社の公式ツイッターが2021年8月29日、

「【実は...】激甚災害の対策として、#糸崎駅 改札機にリフトアップ機能を付加しました」

とツイートし、社内の取り組みを明かしたこと。山陽本線・糸崎駅(広島県三原市)は1日あたり乗降人員が約1110人(2020年度)といった規模の駅。添付された2枚の写真には、同駅の改札機が映っている。

   写真1枚目は平常時の様子、2枚目は床面が数センチほど浸水している状況で、改札機の下部にジャッキのような物を挟みこんでかさ上げしているのが見える。続けて、「7月8日の大雨時にはリフトアップ操作を行い、浸水による故障を未然に防ぐことができました」と取り組みの成果を伝えた。

   7月8日の天候については、気象サイト・ウェザーニュースが朝時点で「未明からは広島県内で激しい雨が続いており」「8時までの6時間の雨量は広島市で144.0mm、竹原市で146.0mmと観測史上1位の記録を更新する集中的な雨です」と報じていた。

   JR岡山支社は同じ投稿で「お客様に快適にご利用いただけるよう、これからも改善に努めていきます」とつづっている。

   同社が公開した改札機の新機能にツイッターでは、

「凄い!!災害に立ち向かう根性がある」
「改札機リフトアップとか普通思いつかなくない?」
「こんな隠し機能が。。カッコいい。。」
「斬新な機構」

   といった声が上がっている。

過去の被害からリスク洗い出し

   30日にJ-CASTニュースの取材に応じたJR岡山支社の広報によると、糸崎駅の「リフトアップ機能」は2019年3月に設置されたものだという。

   2008年に山陽本線・備後赤坂駅が冠水被害を受けたことから、社内専門部署でリスク対策を推し進め、設計・製作のうえ、装置を設置したとする。糸崎駅に先んじて備後赤坂駅には2010年1月、改札機2台に機能が付加されていた。

   具体的な対策の方法を広報は、「機器の下部にリフトアップ装置(車用のジャッキのようなもの)を設置しています」と説明した。

   投稿が注目されていることについて、公式ツイッターの担当者は取材に対し、「まさかここまで大きな反響をいただくとは思ってもいませんでした。ただただ驚きです」と心情を明かし、

「これからもお客様のため、改善に努めてまいります」

と伝えた。