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阪神・中野拓夢は「新人王に最も近い男」? 佐藤輝・栗林よりも有力視される理由とは

   ここまでの活躍を想像できた野球ファンは少ないだろう。ドラフト6位で阪神に入団した中野拓夢のことだ。

   開幕からほどなくして正遊撃手の座を奪い、攻守の要として活躍。首位を走るチームに不可欠な存在になっている。

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  • 中野選手のインスタグラム(@takudream1)より

盗塁成功率は驚異の「95.7%」

   身長171センチと小柄だが、バットを振る力がある。快速球を引っ張り力強い打球を連発したことで、春季キャンプから首脳陣の評価は高かった。開幕1軍入りを果たすと、4月の中旬に木浪聖也から遊撃のレギュラーを奪った。

   前半戦の活躍が認められ、プロ1年目ながらファン投票で球宴出場。俊足を生かしたチャンスメーカーとして活躍する一方、勝負強さも光る。

   9月4日の首位攻防・巨人戦(甲子園)で自身初の「1番・遊撃」で起用されると、同点の7回2死満塁で変則左腕・大江竜聖が投じたボール球のスライダーを豪快に振り抜き、右翼フェンスに直撃する走者一掃の決勝打を放った。

   遊撃の守備で14失策はリーグワーストの数字だが、俊足を生かした広い守備範囲で安打性の打球を弾き失策の記録になったケースも度々あった。もちろん確実性は磨かなければいけないが、軽いフットワークと球際の強さ、強肩でチームの窮地を救う好守を再三見せている。

   そして、盗塁数はリーグトップの22をマーク(成績は10日昼時点、以下同)。失敗はわずか1つのみで、成功率は95.7%を誇る。2位は入団以来2年連続盗塁王を獲得している近本光司の20盗塁。成功率76.9%と言う数字と比較すると、中野の凄みが伝わってくる。

新人王に最も近い存在?

   スポーツ紙デスクは中野の活躍をこう分析する。

「長いシーズンでパフォーマンスが落ちないのも中野の大きな魅力です。新人左打者最多の23本塁打をマークしているドラフト1位の佐藤輝明が8月下旬以降は調子を落とし、スタメンを外れる機会が増えている(9月10日に2軍降格)。このまま中野が活躍すれば、新人王に最も近い存在ではないでしょうか」

   阪神の新人は近年まれに見る当たり年だ。中野、佐藤に加えて、左腕の伊藤将司も先発ローテーションで7勝6敗、防御率2.98と奮闘している。チームがこのままリーグを制覇すれば、3人のうちから新人王が選ばれる可能性は高まるかもしれない。

   もちろん、広島の守護神として抜群の安定感を誇る栗林良吏、16本塁打を放っているDeNAの牧秀吾も忘れてはいけない。どちらにしろ、シーズンの最後まで熾烈な新人王争いが繰り広げられそうだ。

(中町顕吾)