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新1万円札はダサい? 数字フォントにSNS不評も...実はユニバーサルデザインだった

Togetter社が解説する「3分くらいで分かる週刊Twitterトレンド」<出張版>

   ツイートまとめサービスTogetter(トゥギャッター)を運営しているスタッフがTwitterで話題になった話題を厳選し、考察するコラムの第18回です。今回のテーマは「新紙幣」。2024年上半期の流通開始が予定されている新一万円札のデザインに関するバズについてお届けします。

  • 新一万円札の見本(財務省の発表より)
    新一万円札の見本(財務省の発表より)
  • 新一万円札の見本(財務省の発表より)

新一万円札のデザインが「ダサい」?

   先日、日本銀行の公式アカウントが新一万円札のデザインをTwitterに投稿。「日本資本主義の父」とも呼ばれる渋沢栄一や東京駅をあしらったデザインそのものに加え、投稿の文面に「じゃーん!」というくだけた言葉が使われていたことも話題を呼び、13万リツイート超と大きく拡散されました。

   そんな新一万円札ですが、ツイッターでは「デザインがダサい」という反応が続出。特に「10000」の表記に違和感を覚える人が多かったようです。

   たしかに今までの一万円札では漢字で「壱万円」と描かれていた部分が、「10000」と大きなアラビア数字になっています。数字のフォントも「かっこいい」と思えるものではないかもしれません。

実はたくさんの工夫が凝らされたデザインだった

   一方、この新一万円札は外国人や弱視者を含む多くの人にとって使いやすいデザインになっていると指摘する意見も。

   数字を大きくしたりフォントを工夫したりすることで日本人以外もわかりやすく、さらに文字を読むことが困難な人にも判別できるようになっているそうです。実際、財務省の発表でも、文字を大きくするなど、ユニバーサルデザインを採用することを伝えていました。

<【ダサいことで評判の新紙幣】 → 外国人、こども、弱視者など多くの人が「読みやすい」ことを目指した結果です。 - Togetter>

   流通はもう少し先ですが、すでにそのデザインの利点は発揮されている模様。緑内障や白内障のため視力が弱くなっているというお父さまが「新デザインはお札の区別がしやすい」と語った、というツイートが大きな注目を集めました。

   また、「目の治療のため瞳孔を開く目薬をさしたあとに、現在の一万円札と見比べてみた」というユーザーも登場。焦点の合わない視界の中でも、新しい一万円札は金額の数字や漢数字、人物をはっきり判別できたそうで、こちらも大きなバズを生みました。

<目の病気や加齢で本等が一切読めなくなっていた父が新しい一万円札のデザインを見て「あぁ、この見た目なら区別しやすいなぁ」と言っていた - Togetter>

<治療で"瞳孔を開く目薬"を打ったあと新・旧紙幣を見比べてみたら...ユニバーサルデザインの効果がよくわかる報告に注目 - Togetter>

ユニバーサルデザインへの関心の高まり

   年齢や性別、文化や国籍、能力などの違いに関わらずできるだけ多くの人が使えることを目的とした設計を「ユニバーサルデザイン」と呼び、近年さまざま場所で応用されています。

   先日東京で開催されたパラリンピックの開会式でも「色弱の人でも読みやすいプラカード」が話題になっており、ユニバーサルデザインへの関心は高まっていました。

<【パラ開会式】プラカードは空港の電子掲示板をイメージ→実は色弱者の方に配慮した配色だった「知らない所で色々な気遣いが」 - Togetter>

   新紙幣についても、デザインに込められた配慮を知って納得するという人が続出。話題の輪がさらに広がっていきました。

そうは言っても、使ってみないことにはわからない?

   また、この新一万円札については「慣れるためにまずは配りましょう!」と冗談半分に配布を期待する声も多いようです。たしかに、ひとまず10枚ほど配布していただいてその使用感を確かめたいですよね?

<賛否両論ある新一万円札のデザイン、国民側も精査した上でモノを申すべき→国は10枚ほど配って使用感を確かめて頂くのはどうだろうか - Togetter>

   このように、「新紙幣」が大きな話題になった理由は次の3つが挙げられます。

・紙幣はみんなが使う身近なものであり、言及する人が多かった
・デザイン面で不満の声も多かったが、その理由について考察が広まるなど話題が続いた
・パラリンピックが開催されたこともあり、ユニバーサルデザインへの関心が高まっていた

   以上、Togetterがお送りする「3分くらいで分かる週刊Twitterトレンド出張版」でした。次回もお楽しみに。

Togetter編集部