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58歳「代役」ボクサー109秒TKOの舞台裏 10年ぶり復帰戦、オファー受け入れは8日前...

   ボクシングの元ヘビー級統一王者イベンダー・ホリフィールド(58)=米国=が2021年9月11日(日本時間12日)、米フロリダ州ハリウッドで行われたヘビー級8回戦(1ラウンド2分)に出場し、総合格闘技UFCの元王者ビトー・ベウフォート(44)=ブラジル=に1回1分49秒TKO負けを喫した。

  • 10年ぶりに復帰したホリフィールド(写真:AFP/アフロ)
    10年ぶりに復帰したホリフィールド(写真:AFP/アフロ)
  • 10年ぶりに復帰したホリフィールド(写真:AFP/アフロ)
  • コメンテーターとして解説を務めたトランプ氏(写真:AP/アフロ)

代役受け入れたのは試合8日前

   10年ぶりのリングとなったホリフィールドは初回、ベウフォートの左ボディーからの連打で防戦一方となりいきなりピンチを迎えた。その後もベウフォートのプレッシャーの前にガードを固めたまま反撃出来ず、左ストレートから左アッパーのコンビネーションでダウンした。

   ホリフィールドはなんとか立ち上がったものの、挽回の気配は見られずベウフォートが連打で追い詰めたところをレフリーが両者の間に割って入り試合をストップした。

   元統一王者の10年ぶりの復帰戦は戦前から苦戦が予想され、現実は大方のボクシング関係者やファンが予想した通りの結果となった。

   当初ベウフォートと対戦を予定していたのは、世界6階級制覇のオスカー・デラホーヤ(48)=米国=だった。ところがデラホーヤが新型コロナウイルスの陽性反応を示したため出場を辞退。その代役としてホリフィールドに白羽の矢が立ったわけだが、海外メディアによるとホリフィールドが代役を受け入れたのは試合の8日前だったという。

カリフォルニア州では認可下りず...

   元ヘビー級統一王者とはいえ、健康面から58歳の年齢での10年ぶりの復帰戦にボクシング関係者の間では否定的な意見も少なくなかった。

   事実、当初この試合はロサンゼルスのステープルズ・センターで開催される予定だったが、健康管理に厳しいとされるカリフォルニア州アスレチック・コミッション(CSAC)の認可が下りず、会場をフロリダ州に移して開催された経緯がある。

   米ボクシング専門メディア「BOXING SCENE」によると、ホリフィールドは試合後、レフリーのストップのタイミングについて「あれは悪い判断だった。レフリーがあれほど早くストップするべきではなかった」とコメントしたという。

トランプ氏「左のジャブは非常に遅かった」

   また今回の試合では、米国のドナルド・トランプ前大統領がリングサイドでコメンテーターを務め大きな注目を集めた。

   「BOXING SCENE」によると、トランプ氏は「彼(ホリフィールド)はかつてのようなファイターではなかった。左のジャブは非常に遅かった。彼は多くを失った」と指摘したという。

   10年ぶりのリング復帰を白星で飾ることが出来なかったホリフィールドだが、これでグローブを置くつもりはないらしく、元ヘビー級統一王者のマイク・タイソン(55)=米国=との対戦を熱望した。