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いきなり!ステーキ、終了する肉マネー「使用推奨」も...「返金」周知不足に客不満 運営会社に事情を聞く

   ステーキチェーン「いきなり!ステーキ」のプリペイド(前払い)サービス「肉マネー」が2021年末で終了するが、使い切るよう呼びかけるばかりで、マネーの払い戻しが可能なことを店側が周知していないと、ツイッターで不満も漏れている。

   運営会社のペッパーフードサービスは、サービス終了後も返金対応するとしたうえで、「多くのお客様にご利用頂きたいのでお知らせしている」と説明している。

  • いきなり!ステーキの店舗(写真:西村尚己/アフロ)
    いきなり!ステーキの店舗(写真:西村尚己/アフロ)
  • いきなり!ステーキの店舗(写真:西村尚己/アフロ)

「返金」に関する利用者への周知に不満の声

   「2021年12月末までにご使用下さいますようお願い申し上げます」。入金して肉マネーとして使えるスマホアプリでは、「肉マネー廃止に関するお知らせ」が同年10月1日付で配信され、このようなお願いが赤字で強調されていた。

   肉マネーは、15年10月にスタートし、5000円入金すると200円のボーナスがもらえるなどの内容から、利用が進んだ。

   しかし、ペッパーフードサービスでは、QRコードなどを使った決済サービスが充実したことを理由に、20年8月31日に翌21年末で終了することを発表した。同時に早めに使用することを呼びかけ、20年11月末には、入金機能も終了していた。

   前出のお知らせは、21年10月4日にツイッターで取り上げられて、話題になった。肉マネーのような前払式支払手段について規定した資金決済法の第20条1項では、有効期限前のマネーについては、サービス終了後は払い戻しをしなければならないとある。肉マネーの利用規約の第21条2項でも、サービスを終了するときに返金方法を周知する措置を取るため、所定の手続に従って返金を申し出るよう明記してある。しかし、ツイッター上では、ペッパーフードサービスがこうしたことを利用者に周知していないと、お知らせの内容に不満の声も聞かれた。

   いきなり!ステーキは、急速な店舗拡大などが原因で業績が悪化し、19年11月に44店舗の閉店を発表するなど規模の縮小を余儀なくされた。新型コロナウイルスの感染拡大以降は、一部で行った時短や休業などの影響も出て、21年8月はこの発表時より店舗数がほぼ半減している。

「来年1月からボーナス分を除いて返金する準備を進めている」

   店舗数が減って、肉マネーを使えないとの困惑の声も続出しており、「よわったなー、まだつかいきってないざんだかあるぞ」「払い戻しの義務なんて知らない人多いのでは・・?」といった反応もあった。

   肉マネーが払い戻しできるかについて、ペッパーフードサービスの広報担当者は10月5日、J-CASTニュースの取材にこう答えた。

「有効期限がきていない肉マネーは、資金決済法にもとづき、利用終了後の来年1月からボーナス分を除いて返金する準備を進めております。お客様に手数料はかかりません。返金期間は、現在資金決済業協会や財務局に相談しながら策定中です。サービス中は資金決済法で決められているので、払い戻しできるケースは例外としてありますが、原則として消費者からの払い戻し要求に対応することはできません。その理由は、もしも気軽に払い戻しに応じてしまうと、出金法(預り金)銀行法(為替取引)の法律に違反する恐れがあるからです」

   肉マネーは、上限5万円までチャージでき、その有効期限は、最終利用日から1年間になる。チャージしている人がどれぐらいいるかについては、「開示していない情報ですので回答は控えさせていただきます」とした。

   法的に返金対応もできることを同社が積極的に説明していないとの不満があることについては、こう理解を求めた。

「資金決済法にもとづき、サービス終了後の1月から返金対応をする予定です。現在、資金決済業協会や財務局に確認しながら返金手続きの準備を進めています。準備が出来次第ホームページ、店頭、アプリ等での告知、日刊新聞公告で情報開示を行う予定です。サービス終了までに1人でも多くのお客様にご利用頂きたいのでお知らせしております」

(J-CASTニュース編集部 野口博之)