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大谷翔平への1位票「難しい決断ではなかった」 ゲレーロの球団地元紙記者、MVPの投票理由明かす

   大リーグ機構(MLB)は2021年11月18日(日本時間19日)、ア・リーグMVP(最優秀選手)にエンゼルスの大谷翔平選手(27)を選出した。投票は全米野球記者協会(BBWAA)の30人の会員によって行われ、大谷は1位30票の満票を集めた。日本人選手のMVPは01年のマリナーズ・イチロー外野手以来20年ぶり2人目となった。

  • 大谷翔平選手(17年撮影)
    大谷翔平選手(17年撮影)
  • 大谷翔平選手(17年撮影)
  • 大谷の地元紙が都内で号外配布(写真:AP/アフロ)

MVP選考は「まったく議論の余地がなかった」

   ア・リーグでは14年のマイク・トラウト外野手(エンゼルス)以来の満票での受賞となった大谷。MVP争いでライバル視されていたブラディミール・ゲレーロJr内野手(ブルージェイズ)は、1位票ゼロに終わり、2位票29、3位票1の結果となった。

   今季ア・リーグトップタイの48本塁打、打率.311、111打点をマークするもMVPを逃したゲレーロJr。所属するブルージェイズの地元紙「TORONTO STAR」(WEB版)は、大谷のMVP受賞を速報で伝え、大谷の受賞理由について分析している。

   記事を執筆したのは同紙の野球コラムニストであるグレゴール・チスホルム記者で、10年からブルージェイズを担当。チスホルム記者は記事の中で今回の投票で大谷に1位票を投じたことを明かしている。

   記事は「ブルージェイズファンにとってはアンフェアに思えるかもしれないが、MVPの投票者は正しく理解した」などの見出しで書かれ、全米野球記者協会の最大の賞をどの選手が受けるべきかについての大論争はまったく議論の余地がなかったと指摘している。

ゲレーロJrは3冠達成していれば...

   チスホルム記者は記事の中で「私は大谷を1位にしたBBWAAのメンバーの1人でしたが、数字をよく見てみるとそれほど難しい決断ではありませんでした」と明かし、投打にわたる活躍を見せた大谷がゲレーロJrを上回ったとした。

   大谷は今季、投手として23試合に先発して9勝2敗、防御率は3.18だった。打者としてはシーズン最後まで本塁打王争いを演じ、リーグ3位の46本塁打、100打点、26盗塁をマークした。

   記事では大谷の投手としての成績をブルージェイズのホープ、アレク・マノア投手(23)と比較して分析。マノア投手は今季、大谷と同じく9勝2敗の成績を残しているが、イニング数、防御率、9イニングあたりの奪三振数いずれも大谷が優れているとした。

   また、打者としての成績をMVP投票で3位だったマーカス・セミエン(ブルージェイズ)と比較。大谷はセミエンよりも打率(大谷.257、セミエン.265)、打点(大谷100、セミエン102)で下回ったが、本塁打で1本上回り、OPS(大谷.965、セミエン.873)でも高い数字を記録し、より多くの盗塁(大谷26、セミエン15)をマークしたと指摘した。

   MVP投票で2位となったゲレーロJrに関しては、3冠を達成していればより多くの支持を得る可能性があったが、9月に入ってから調子を下げたため打率、打点の2つのタイトルを逃したと説明した。