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投票率でも「自民党に太刀打ちできない」 党員の半分以上が投票しなかった立憲代表選

   泉健太氏が当選した立憲民主党の代表選は、1回目の投票は党員の投票を交えた「フルスペック」で行われた。ただ、党員・協力党員票の投票率は46.6%にとどまった。

   一方で、2021年9月に行われた自民党の総裁選では、党員・党友票の投票率は69.0%。党内の求心力にも大きな差が出たともとれる数字で、11月30日に泉氏が代表として初めて臨んだ記者会見では、「全く太刀打ちできないのではないか」という指摘も出た。

  • 代表として初めての記者会見に臨む立憲民主党の泉健太代表
    代表として初めての記者会見に臨む立憲民主党の泉健太代表
  • 代表として初めての記者会見に臨む立憲民主党の泉健太代表

投票用紙を返送するか、URLにアクセスして投票

   代表選の1回目の投票は、国会議員280ポイント、参院選公認候補予定者6ポイント、地方議員143ポイント、党員・協力党員143ポイントの計572ポイントで争った。党員・協力党員の有権者は10万267人いた。有権者は郵便で送られてきた投票用紙を返送するか、郵便物に書かれたURLにアクセスして投票する方式で、郵便経由で3万2943票、ネット経由で1万3805票が投じられた。合計4万6748票で、投票率は46.6%だった。

   一方、21年9月に投開票された自民党総裁選の党員票を見ると、110万4336人いた有権者に対して、投票総数は76万2004票。投票率は69.0%だった。

   泉氏の記者会見では、

「この差があまりにも大きい。全く太刀打ちできないのではないか」

という指摘も出た。泉氏は、

「投票率の『太刀打ち』で言うと、まさにできてないですね...」

と反応。その上で、自民党については

「各都道府県ごとに投票箱があるという、身近に投票しにいけるという環境が、われわれと大きく違うところなので、そういったところでの投票率のアップというのはあったのではないか」

と指摘した。

   自民党の総裁公選規程によると、党員投票の方法は都道府県連の選管が定めることになっており、

「郵便投票による方法、投票所における直接投票による方法又はこれらの方法の併用により行わなければならない」

としている。東京都連では郵便投票を採用した。

投票用紙の配達が遅れたという指摘も...

   さらに泉氏は、「短期間・フルスペック」の代表選だったことに触れて「本当に多くの皆さんにご協力いただきましたけれども...」と述べる一方で、「でも自民党さんも結構短期間でしたよね」。ネット投票という新しい取り組みを始めたことを紹介しながら、

「代表選の有権者の方に情報を直接お届けしたり、そういったことが私も、私自身もでききれなかったな、というふうに思う」

などと話し、投票率向上の方策について検討する考えだ。

   この記者会見では、投票用紙が到着していない人がいるという指摘も出た。配達の遅れで投票用紙が届かず、投票率が下がっている可能性もある。

   なお、立憲の前身の民進党が17年に「フルスペック」で行った代表選では、党員・サポーターの有権者22万8753人に対して、投票総数は9万1185票。投票率は39.9%だった。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)