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「撮り鉄トラブル」報道で「不信感与えた」 いすみ鉄道が謝罪、フジテレビ取材めぐり

   フジテレビ系のニュース番組で報道された「撮り鉄」特集をめぐり、取材を受けた千葉県の私鉄・いすみ鉄道は2021年12月21日、報道をめぐって不信感を与えたなどとして、利用客らに謝罪した。

   特集をめぐっては、SNS上で一部の鉄道ファンの間から、取材方法に対する疑問の声が上がっていた。

  • いすみ鉄道のキハ52形(2018年撮影)
    いすみ鉄道のキハ52形(2018年撮影)
  • いすみ鉄道のキハ52形(2018年撮影)
  • いすみ鉄道の発表

「撮り鉄」特集に物議

   フジテレビは20日、「【独自】私有地侵入で線路ギリギリ 一部の"撮り鉄"トラブル多発 鉄道会社が注意喚起」という特集を、夕方の報道番組「LiveNewsイット!」などで報じた。立ち入り禁止の私有地に侵入して、列車を撮影する「撮り鉄」による迷惑行為が相次いでいるという。

   特集では、いすみ鉄道の沿線で車両を撮影する人々を映した。顔は伏せられている。テレビ局のスタッフは「今、男性たちが撮影するすぐ横を列車が走っていきます。危ないですね!」などと、その様子を伝えている。鉄道会社の許可を得て、列車内から撮影したという映像では、こう説明する。

「発車してすぐ見えてきたのは、20人近くの撮り鉄。この場所は私有地のため、許可なく撮影するのは禁止です。
そして雑木林を抜けるスポットでは、列車に近づくため柵を乗り越えた位置で撮影をするなど、線路脇でカメラを構える撮り鉄はその後も相次ぎました」

   この報道を受けて、一部の鉄道ファンから疑問の声が上がった。

   マナーを守って撮影していたにもかかわらず、批判的に報じられたなどとして、「ルールを守っているのに晒されるのは嫌だ」と不満を呈しているのだ。また、鉄道ファンのものとみられる路上駐車などを映し出したことにも、否定的な声が寄せられている。

   いすみ鉄道は放送の翌21日、公式サイトなどで「先般のテレビ取材の件について」と題した声明を発表した。

「鉄道敷地外での個別な取材および撮影に関しては一切関知しておりません」

   いすみ鉄道は、古竹孝一代表取締役社長の文責で次のように伝えている。

「今回の取材は、テレビ局からの依頼を受け承諾しました。
弊社は、社員同行のうえ鉄道敷地内および列車車両内での撮影を許可致しましたが、鉄道敷地外での個別な取材および撮影に関しては一切関知しておりません」

   そのうえで、「お客さまには不信感を与えてしまうこととなり、ご迷惑をお掛けしましたことをお詫び申し上げます」と謝罪した。

「地域住民の皆さまやいすみ鉄道ファン、観光でいらっしゃる皆さまに支えられております。
そのため、今後も皆さまの期待に添えるイベントを継続していきたいとの想いから、撮影マナー等の啓発をさせていただいた次第です。引き続きご理解のほど宜しくお願いします」