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志村けんドラマ、ドリフ大爆笑OPなぜ「完コピ」できた? 識者が指摘する特番と福田雄一監督の存在

   2021年12月27日に放送された「志村けんとドリフの大爆笑物語」(フジテレビ系)で流れた「ドリフ大爆笑」オープニングの再現シーンについて、「1フレームたりともずれてない 完璧だった」などとその再現度の高さに驚く声が上がっている。

   視聴者も驚いた再現度をなぜ実現できたのか。J-CASTニュースは識者に意見を聞いた。

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「最も笑ったシーン:ドリフ大爆笑OPの再現シーン」

   「ドリフ大爆笑」は1977~98年にかけて新作が放送されていたフジテレビのお笑い番組で、オープニングには「ザ・ドリフターズ」の5人が並んで登場する映像が流れる。

   同シーンでは、黒スーツ姿のドリフメンバー5人が足踏みしながら、両手にポンポンを持った多数の女性ダンサー(スクールメイツ)を従えつつ「ドリフ大爆笑のテーマ」を歌い上げる。センターにはいかりや長介さんが立ち、向かって右側には加藤茶さん(78)と高木ブーさん(88)が、向かって左側には仲本工事さん(80)と志村けんさんが立っている。

   そして、ドラマでは5人に扮した遠藤憲一さん(60=いかりやさん役)、勝地涼さん(35=加藤さん役)、加治将樹さん(33=高木さん役)、松本岳さん(28=仲本さん役)、山田裕貴さん(31=主演・志村さん役)が登場し、同シーンを再現。これに対し、「最も笑ったシーン:ドリフ大爆笑OPの再現シーン。セットや振り付け、スクールメイツはもちろんだけど、何よりドリフメンバーのあのやる気のなさそうな表情(特に加藤と志村)が完璧な再現すぎてまさに大爆笑しました」といった声も上がるなどしている。

「福田監督が再現シーンを作るとなれば...」

   これら、視聴者から絶賛を浴びたオープニングの再現シーンだが、完成度が高いとする声が多数上がった理由について、J-CASTニュース編集部はライターでお笑い研究家の鈴木旭氏に分析を依頼。鈴木氏はフジテレビが「ドリフ大爆笑」の放送局だったことの強みを生かしつつ、細かい点まで気を配った結果、再現度の高さが実現したのではないかと指摘する。

「9月に『ドリフに大挑戦スペシャル』がフジテレビ系で放送され好評を博しましたが、この時、マニアックな視聴者からは、作り込みが足りなかったとする声が上がっていました。これらの声を受け、フジテレビのスタッフがマニアックな視聴者も興奮するような再現度にしたということはあると思います」

   確かに、再現シーンではスクールメイツ役の女性ダンサーがひしめく中、その間をドリフの5人がぬって前に出てくる様子など、当時のシーンを丹念に再現した様子がうかがえる。また、鈴木氏は、

「今回、ドラマの脚本・演出を務めた福田雄一監督は、かつて、『となりのシムラ』(NHK)でコントの脚本を作ったことがあるというのが大きいと思います。志村けんさんは本当に、セットの出来具合にこだわる方だったので、それを見ていたであろう福田監督が再現シーンを作るとなれば、やはり、細部まで再現しようと考えるのは実に自然なことだと思います」

と指摘した。

(J-CASTニュース編集部 坂下朋永)