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島根県、移動自粛要請で「鳥取県を除く」→5日後変更 なぜ当初「例外県」設けた?理由を聞く

   新型コロナウイルスの感染拡大が続き、都道府県をまたぐ不要不急の移動を控えるように求める自治体が増えてきた。異例なのが島根県で、一度は「鳥取県を除く他の都道府県との不要不急の移動は、行き先の都道府県の要請を確認の上、極力控えること」を県民に要請することを決めた。

   つながりが深い隣県を移動自粛の対象から外したことになるが、その後も感染は拡大。後に、鳥取県であっても自粛を要請する方向に軌道修正した。

  • 島根県(左)と鳥取県(右)のつながりは深い
    島根県(左)と鳥取県(右)のつながりは深い
  • 島根県(左)と鳥取県(右)のつながりは深い

「隣県だということもあり、さまざまなバランスを考慮」

   移動自粛の要請が決まったのは1月12日の対策本部会議。県民への要請事項のひとつとして、「鳥取県を除く他の都道府県との不要不急の移動は、行き先の都道府県の要請を確認の上、極力控えること」がうたわれた。

   移動を控える必要がない、不要不急ではない移動として「やむを得ない仕事や、通勤・通学、受験、転勤、就職活動、葬儀・法要、看病・介護、通院、生活必需品の買い物などでの移動」を例示。移動の際は「3密」回避などの感染防止対策を講じるように求めた。要請期間は1月13日から31日まで。

   島根県の防災危機管理課は18日、J-CASTニュースの取材に対し、この時点で鳥取県を移動自粛要請の対象から外した理由を

「鳥取県の感染状況が、全国的に見てもそれほど悪くなかった。隣県だということもあり、さまざまなバランスを考慮した」

と説明している。なお、1月11日に発表された新規の陽性者数は、鳥取県が27人、島根県が36人だった。

観光キャンペーンも新規予約を一時停止

   鳥取県が例外ではなくなったのは、5日後の1月17日。この日の対策会議では、健康福祉部の部長が(1)1月の感染者数は16日までの累計で689人にのぼり、月別では過去最多だった21年8月の629人を60人上回っている(2)児童福祉施設、社会福祉施設、飲食店、学校関係でクラスターが発生し、感染者数を押し上げている、などと説明。

   県民への要請事項は

「都道府県をまたぐ不要不急の移動は、行き先の都道府県の要請を確認の上、極力控えること」

に改められた。要請期間は1月18日から31日まで。前出の県防災危機管理課では、鳥取県を外した理由を

「全国的に感染状況が非常に悪化し、当県の感染状況も悪化しているので、より往来を少なくするため」

だと説明している。1月16日に発表された新規陽性者数は、鳥取県は51人、島根県85人だった。対策会議では、宿泊料などを割り引く観光キャンペーンについて、島根県民の県内利用を含めて、1月20日から1月末まで新規予約を一時停止することも決めている。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)