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センバツ選考問題、球界OBが不満爆発 選考委コメントに「失礼な話」「21世紀枠を否定してる」

   今春の選抜高校野球大会(甲子園球場)の出場校の東海地区枠の2校をめぐる選考で、元千葉ロッテマリーンズの里崎智也氏が2021年2月2日配信のYouTubeで持論を展開している。

   1月28日に出場校が発表されると、昨秋の東海大会で準優勝だった聖隷クリストファー(静岡県浜松市)が選出されず、優勝校の日大三島(静岡県三島市)とベスト4の大垣日大(岐阜県大垣市)が選出されたことが未だ議論を呼んでいる。

  • 阪神甲子園球場
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「個人の力量」重視に疑問

   秋の東海大会で聖隷クリストファーは1回戦から11-4(津田学園)、4-3(中京)、9-8(至学館)と勝ち進み、決勝で6-3で日大三島に敗れ準優勝となった。大垣日大は7-2(静岡)、3-2(享栄)と勝利して準決勝に進むが10-5で日大三島に敗れている。

   28日の選出校発表とともに

「聖隷クリストファーは頭とハートを使う高校生らしい野球で、2回戦、準決勝で9回に見事な逆転劇を見せた。立派な戦いぶりでした。個人の力量に勝る大垣日大か、粘り強さの聖隷クリストファーかで賛否が分かれましたが、投打に勝る大垣日大を推薦校とします」
「特に前評判の高かった静岡高校の吉田投手を打ち崩した連打は見事だった。また、2回戦で優勝候補の一角だった愛知1位・享栄高との戦いぶりはレベルが高く見応えがあった」
「選手個人の力量に勝る。甲子園で勝つ可能性が高いかを客観的に判断」

   という選考委員のコメントが報じられている。

   この説明に対して里崎氏は、聖隷クリストファーが2回戦で勝利した相手である中京が岐阜県大会決勝で大垣日大を下して優勝していること、静岡県大会準決勝でも聖隷クリストファーが静岡に勝利したことを指摘。さらに「個人の力量」というコメントにも

「野球は総合力じゃないの?」
「去年のパリーグで言うと、CS進出はソフトバンク!4位だったけど個人の力量がすごい!ロッテはダメ。だって日本代表1人もいないじゃん、チーム全員で頑張っただけで代表誰もいないから落選、みたいに言われても」
「個人の力量で足りないところを総合力でカバーして勝っていくのが団体競技でもあり、個人は劣っていてもチーム皆で頑張るとかそれで結果を残していくのを推奨したり評価していくのが学生じゃないの」

   と疑問を投げかけた。

   聖隷クリストファーはエースの弓達投手・正捕手の河合選手を故障で欠いたまま東海大会を戦った。里崎氏は「聖隷クリストファーも結構ケガ人が出たりしてそれをチーム力でカバーして勝ってきたらしいのよ。ケガして万全じゃないパターンもあるじゃんね」「で、(大垣日大の方が)甲子園で勝つ可能性があるって失礼な話やん」と続け、

   さらに「東海大会なのに静岡2校なのダメでしょっていう何かのパワーが働いたって思われても仕方がない」とも話す。

大垣日大を「21世紀枠」に?

   話題は選抜大会の選考の在り方にも及んだ。「『甲子園で勝つ可能性があるチームを選びました』っていうなら21世紀枠を否定してるのよ」と、選考基準が一貫していないのではないかと里崎氏は考える。

   「(秋季大会の)決勝に進んだチームは絶対(選抜大会に)出れます。その上で本当は強かったけどくじ運に恵まれなかったとかっていうのが出た場合、21世紀枠をそこに入れればええんちゃう」「大垣日大を絶対に出したいんだったら21世紀枠」とも里崎氏は話し、各都道府県高野連の推薦から選ばれている現在の21世紀枠の選出方法にも改善の必要を示唆している。

   さらに「各地区大会の優勝チームの選抜大会でのシード化」「地区大会でのベスト4からのリーグ戦化」といった改善案を提案していく里崎氏。「これを機にやり方を変えてもいいから」と選考基準の明確化を求めていた。