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海外記者を激怒させた韓国の「不手際会見」 通訳なしで内容伝わらず...自国メディアも失望露わ

   韓国オリンピック委員会を兼ねた大韓体育会は2022年2月8日、北京冬季五輪のメインメディアセンターで緊急会見を行った。会見には海外の記者も参加したが、通訳なしの韓国語のみで行われたため、複数の韓国メディアが大韓体育会の「不手際」を指摘した。

  • 韓国選手団の尹洪根団長(写真:YONHAP NEWS/アフロ)
    韓国選手団の尹洪根団長(写真:YONHAP NEWS/アフロ)
  • 韓国選手団の尹洪根団長(写真:YONHAP NEWS/アフロ)
  • 中国選手に接触して転倒する韓国選手(写真:新華社/アフロ)

ショートトラック判定巡り韓国猛抗議

   韓国メディア「聯合ニュース」によると、大韓体育会は会見で、7日に行われたショートトラック男子1000メートルで韓国代表の2選手が審判の偏見的な判定によって失格になったとして抗議し、今後の対応案などを明かした。

   7日の男子1000メートル準決勝で韓国代表の黄大憲(ファン・デホン)と李俊瑞(イ・ジュンソ)が別々の組でそれぞれ1位と2位でゴールしたが、レース後に失格の判定を受けた。これにより2人の中国選手が繰り上がって決勝に進出したため、大韓体育会は地元中国に有利な判定だったとして抗議した。

   韓国主要メディア「朝鮮日報」は、今回の抗議会見の過程を詳細に報じている。

   記者会見の開始20分前にメインメディアセンター内の英語放送を通じて日程がアナウンスされ、一部の海外の記者が関心を持って会見場を訪れたという。

海外記者「英語通訳もなしにどう理解するのか」

   記事では、会見は大韓氷上(スケート)競技連盟の会長を務める尹洪根(ユン・ホングン)選手団長の決意に満ちた発言で始まったが、英語の通訳要員が用意されておらず、海外の記者は韓国選手団の会見内容を理解できなかったとしている。

   そして通訳なしで10分ほど会見が続くと、海外の記者のひとりが「英語通訳もなしにどう理解するのか」と抗議して退場。最後まで会見に残った海外の記者は、韓国の取材陣を捕まえて会見内容を確認していたという。

   記事ではこのような大韓体育会の「不手際」に対して、「判定の不当さと韓国の立場を対内外的に明らかにできる席だったので物足りなさを残す」と指摘し、その他の韓国メディアも同じような論調で伝えた。

   地元メディア「news1」は、「海外の取材陣が記者会見場を訪れるほど多くの関心を集めたが、大韓体育会は英語通訳員を配置しない未熟さで物足りなさを残した」と指摘。

韓国国民向けの会見との指摘も

   「SBSNEWS」は、「記者会見は私たちの悔しさを対外に訴え、国際的な共感を形成して残ったレースに悪影響を及ぼさないように全体の雰囲気を換気する機会だった」とし、「同じく判定の被害にあった国と共同対応する機会を逃した」との見解を示した。

   また、「聯合ニュース」は大韓体育会の緊急記者会見は「対外用」ではなく韓国国民に向けた「対内用」ではないかという指摘も出ていると伝えた。

   一方、中国メディアは「新浪体育」は大韓体育会の対応について「恥ずかしい!外国メディアは翻訳する準備ができていないと不平を言い怒って会場を去った」などのタイトルで痛烈に皮肉った。

   なお、大韓体育会はショートトラックの判定を巡り国際スケート連盟(ISU)と国際オリンピック委員会(IOC)に抗議書簡を発送し、強く抗議していく方針を示している。