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「170cm以下の男は人権ない」不適切発言のプロゲーマー、所属チームが契約解除 「当社として決して容認できるものではない」

   プロeスポーツチームを運営する「ブロードメディアeスポーツ」(東京都港区)は2022年2月17日、同日をもって所属女性ゲーマー・たぬかな選手の契約を解除すると公式サイトで発表した。

   たぬかな選手をめぐっては15日、身長170センチメートル以下の男性について「人権ない」などと発言したことで批判の声が広がっている。同社は「不適切な発言があった」と16日に謝罪していた。

  • たぬかなさんのツイッター(@kana_xiao)より
    たぬかなさんのツイッター(@kana_xiao)より
  • たぬかなさんのツイッター(@kana_xiao)より
  • 「CYCLOPS athlete gaming」公式サイトより

「自分の認識の甘さが招いた」と謝罪

   たぬかな選手は、同社が運営するプロeスポーツチーム「CYCLOPS athlete gaming」に所属している。15日、ライブ配信プラットフォーム「mildom」での配信中に問題となっている発言があった。

   たぬかな選手は自宅でUberEatsを利用した際、若い男性配達員から連絡先を尋ねられたと明かす。恐怖を抱き、対応に困ったとしながら、配達員の身長が165センチメートルほどだったことで相手に興味が持てなかったとも伝える。続けて、

「165(センチメートル、以下同)はちっちゃいね。ダメですね。170ないと、正直人権ないんで。170センチない方は『俺って人権ないんだ』って思いながら、生きていってください。骨延長の手術を検討してください。『骨延長手術』で調べてください。170あったら人権がちゃんと生まれてくるんで」

と持論を展開。さらに視聴者に対して「ほんまちっちゃい男に人権あるわけないだろお前、調子のんな」などと応じていた。

   発言はネット上で物議を醸し、同日夜、たぬかな選手はツイッターで「高身長が好きって言いたいだけでした...いつもの配信の身内ノリで言葉が悪くなっちゃいました、ごめんなさい~...」などと謝罪した。

   16日にブロードメディアeスポーツ社は、たぬかな選手について「不適切な発言があった」と公式サイトで謝罪。「当社の監督不行き届きによるもの」などといい、選手の処分については「厳重に対処いたします」としていた。

   また、たぬかな選手も前述の謝罪文を削除したうえで改めてツイッターで下記のように謝罪した。

「私の配信中における発言は、決して許されないものであり、自分の認識の甘さが招いたことであると重く受け止めております。 この件により皆様を失望させてしまったことについては、弁解の余地もございません」
「プロeスポーツ選手として、また社会人としてあるまじき発言をしたことについて深く反省し、皆様を裏切ってしまったことについて、深くお詫び申し上げます」

契約解除「決して容認できるものではない」

   17日、ブロードメディアeスポーツ社は公式サイトで「『たぬかな』選手との選手契約解除のお知らせ」を発表した。選手の「不適切な発言」について、

「ご不快な思いをされた皆様のお心を傷つけたこと、また、応援してくださるファンの皆様、スポンサー各社の皆様、および関係各所の皆様に多大なるご迷惑とご心配をおかけしたことを、深くお詫び申し上げます」

と謝罪した。同日をもって選手契約を解除すると報告し、次のように表明した。

「2022年2月15日の『たぬかな』選手の配信中における不適切な発言と姿勢は、当社として決して容認できるものではなく、選手契約解除という判断に至りました。

当社は、いかなる差別的・侮辱的な行為や言動・SNS等での発言も許されるものではないと認識しており、すべての人にとっての多様性を大切にしております。

今後、所属選手の教育、指導等管理体制を強化し、再発防止を徹底して参ります」

   なお16日夜には、たぬかな選手を後援するレッドブル社が公式サイトから同選手を紹介するページを削除している。

   これを受けて、J-CASTニュースはレッドブル社にも取材を申し込んでいる。回答があり次第、追記する。

   (17日17時10分追記)レッドブル社は17日、 スポンサー契約の状況や発言への受け止めなどを尋ねたJ-CASTニュースに対し、「『たぬかな』選手との契約は現在終了しております」と回答した。