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「こんなことで私たちを怒らせることはできない」 ウクライナ代表から批判のロシア代表主将が持論

   サッカーのロシア代表主将FWアルテム・ジューバ(FCゼニト、33)が2022年3月3日にインスタグラムを更新し、ウクライナへの軍事侵攻を巡り自国に向けられた誹謗中傷などについて持論を展開した。

  • ジューバ選手(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)
    ジューバ選手(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)
  • ジューバ選手(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)
  • ジューバ選手のインスタグラムより

「私はダブルスタンダードに反対」

   ジューバは投稿文の冒頭で、自身が政治の専門家でないことからロシアの軍事侵攻などについてSNSで沈黙を保っていたと説明。そして自身にも意見があるとして、自国アスリートや自身に向けられた誹謗中傷に言及した。

   ウクライナ人の父とロシア人の母を持つジューバは、ロシアのウクライナへの軍事侵攻が続く状況に「戦争は怖いです。しかし自分がショックなのは人間の敵意と憎しみだ」と胸の内を吐露し、次のように続けた。

「私は国籍に基づく差別に反対しています。私はロシア人であることを恥じていません。ロシア人であることを誇りに思っています。そして、なぜアスリートが今苦しむべきなのか理解できません」

   そして「私はダブルスタンダードに反対しています」とし、「人々はスポーツと政治を切り離せと叫んできたのに、ロシアに関してこの原則が完全に忘れられるのはなぜですか?」と訴えた。

「ストレスのかかる状況で人間は本性を露わにする」

   ジューバの主張はさらに続き、「繰り返すが戦争は恐ろしい」と改めて戦争がもたらす恐怖に触れた。

「ストレスのかかる状況で人間は本性を露わにし、時にはそれがネガティブなこともある。彼らの立場や職業に関係なく、全てのロシア人にどれほどの怒り、中傷が注がれているか。侮辱や脅迫を書き込んでいる人間が何千人もいる」

   インスタグラムを通じてロシアの軍事侵攻に関する自身の思いを発信したジューバだが、これまで沈黙を保っていたとしてサッカー・ウクライナ代表DFヴィタリー・ミコレンコ(エバートン)などからSNSで痛烈な批判を受けていた。

   ジューバは投稿文の最後に「P.S.(追伸)」とし、自身を批判した選手への反論とみられるコメントを投稿した。

   「イギリスの大邸宅の中で座ってひどいことを言う何人かの仲間たちへ:こんなことで私たちを怒らせることはできない。私たちはすべてを理解している。すべての人に平和と優しさを」とつづった。