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ウクライナ外務省「ロシア滞在の会社リスト」公開 製品ボイコットも呼びかけ...日本企業の対応は

   ロシアに滞在を続けているとした日本企業など50社について、ウクライナの外務省が公式フェイスブックでロゴマークをリストアップし、波紋が広がっている。

   その中には、日本企業2社、1グループがあった。名指しされた各社は、どのように対応するのだろうか。

  • ロシアのプーチン大統領(写真:代表撮影/AP/アフロ)
    ロシアのプーチン大統領(写真:代表撮影/AP/アフロ)
  • ロシアのプーチン大統領(写真:代表撮影/AP/アフロ)
  • 名指しされた50社のリスト(ウクライナ外務省のフェイスブックから)

ブリヂストンや横浜ゴム、三菱グループがリストに入る

   ウクライナ侵攻開始後、ロシアからは、欧米の名だたる企業が続々と操業停止や撤退を発表し、トヨタ自動車やソニーなどいくつかの日本企業もその流れに乗った。

   一方で、様々な理由からロシアに残る企業もあり、ウクライナ外務省は2022年3月10日、フェイスブックを更新し、「ロシアに滞在することを決めた企業のリストを公開しています」と告げた。

   そして、前日時点でロシアで活動しているトップグローバル企業50社のロゴ一覧を投稿した。

   そこには、日本企業からも、大手タイヤメーカーのブリヂストンや横浜ゴム、戦前の財閥の流れをくむ三菱グループが入っていた。

   これに対し、ウクライナ外務省は投稿で、「ロシアの軍事攻撃によって、2週間で50人以上の子どもたちがすでに死亡しています」として、「他の国の領土で大量戦争犯罪を行っている」とロシアを非難した。そして、「ロシア市場の企業が供給、生産、販売するすべての製品は、軍事予算に貢献している」と指摘し、人道的ニーズに基づいている企業を除き、「世界中の責任あるビジネス、政府、消費者がこのような企業や製品をボイコットする」よう呼びかけた。

   そのうえで、50社に対して、「決定を見直し、ロシアでの活動を完全に終了させる」ことを求めている。

   ロシアに留まる日本企業への風当たりは強まっており、カジュアル衣料「ユニクロ」を運営するファーストリテイリングは、状況を注視しながらロシアでの営業を続けていたが、10日になって、状況変化や様々な困難から営業を一時停止すると発表している。

横浜ゴム「状況を注視し、情報を集めて適切に対応する」

   ウクライナ外務省に名指しされた日本企業は、今後ロシアでの営業をどうするのだろうか。

   横浜ゴムの広報部は3月11日、J-CASTニュースの取材に対し、ウクライナ外務省の投稿を把握しているとしたうえで、ロシアで操業しているタイヤ工場1か所についてこう話した。

「お客様や取引先の安全を最優先に考えて、状況を注視しており、各拠点から情報を集めて適切な対応をしたいと考えています」

   ブリヂストンの広報部にも取材を申し込んだが、同日20時までに回答はなかった。

   三菱グループでは、三菱自動車が4日にロシアでの工場を一時停止する考えを示したり、三菱電機が製品の出荷を停止すると10日に報じられたりしている。ウクライナ外務省が、グループのどの企業がロシアでまだ活動をしているとしたのかは不明だ。

   ロシアでの営業の一時停止や撤退などをした企業にとっても、今後の対応には苦慮しそうだ。

   ロシアのプーチン大統領が10日、こうした企業に対し、ロシアの工場などを接収することも考え、場合によっては国有化も検討すると述べたと報じられたからだ。企業に対しては、5日以内の営業再開か株式売却などを求める方向だとの報道もあった。