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「このメンバーでは正直厳しい」 開幕から悪夢6連敗...救援陣崩壊の阪神は復活できるか

   優勝候補と目された阪神の様子がおかしい。昨年の覇者・ヤクルトに球団史上初のホーム開幕戦3連敗を喫すると、広島にも敵地マツダスタジアムで3タテを食らって6連敗。12球団でまだ白星がないのは阪神だけだ。

  • 阪神・矢野燿大監督(写真:アフロスポーツ)
    阪神・矢野燿大監督(写真:アフロスポーツ)
  • 阪神・矢野燿大監督(写真:アフロスポーツ)

新守護神ケラーが大誤算

   7点のリードから大逆転負けを喫した開幕戦がトンネルの始まりだった。

   プロ2年目で4番に抜擢された佐藤輝明の適時二塁打、チーム最年長40歳の糸井嘉男の1号右越え2ランを放つなど序盤から打線が爆発し、4回終了時点で8-1。阪神ファンで埋まったスタンドが活気づいたが、救援陣の乱調で暗転する。5点リードの8回から登板した斎藤友貴哉がサンタナに2ラン被弾するなど1イニングを投げ切れずに降板。岩崎優もヤクルト打線の勢いを止められず1点差に迫られる。

   抑えの新外国人・ケラーが9回に登板したが力不足だった。山田哲人にカーブで同点弾を浴びると、サンタナにも再びカーブを痛打されて勝ち越し2ランと救援失敗。8-10と屈辱の大逆転負けを喫した。

   ケラーは3月29日の広島戦(マツダ)でも1点リードの9回に登板したが、1死満塁のピンチを作って降板。逆転サヨナラ負けで守護神の座を剥奪された。

藤浪・小川・桐敷はリリーフにすべきか

「ケラーは1軍レベルでは厳しい。緩急のあるカーブもフルスイングされているし、直球も走らないので打者を打ち取る球がない。2年連続最多セーブ投手に輝いた絶対的守護神・スアレスの抜けた穴の大きさを痛感しました。

セットアッパーとして救援陣を支えてきた岩崎優も球にキレがないのが気がかりです。矢野監督は新守護神に湯浅京己を指名したが1軍での実績がなく未知数です。今の阪神は救援陣が脆弱なので勝ちパターンが作れない。このメンバーでは正直厳しいので、先発陣に組み込まれた小川一平、桐敷拓馬、藤浪晋太郎の中で2人は救援に配置転換することを検討するべきでしょう」(スポーツ紙記者)

   今年は3年ぶりに延長12回まで実施されることになり、救援陣の状態がチームの命運を大きく左右する。青柳晃洋、ガンケルが戻ってくれば先発陣は12球団屈指の陣容で、救援陣を整備すれば十分に戦える。今季限りでの退任を発表した矢野燿大監督はどう立て直すか。このままズルズル負けが込むと追い上げるのが苦しくなる。阪神は早くも正念場だ。

(中町顕吾)