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SAKAMA、通販商品に「除毒されていないフグ」混入で謝罪 購入者全員に連絡済み、回収進める【追記あり】

   鮮魚通販アプリ「サカマアプリ」を展開するSAKAMA(東京都渋谷区)は2022年4月1日、販売する「チャレンジFishボックス」について、「除毒されていない状態のヒガンフグ」が混入し、消費者に届く事例を確認したとして、公式サイトで謝罪文を発表した。

   すでに購入者全員と連絡が取れ、商品回収を進めているという。同社はJ-CASTニュースの取材に「今回の事案につきましては、弊社としても重大なこととして捉えております」と答え、再発防止に努めるとしている。

  • 鮮魚通販アプリ「サカマアプリ」が販売する「チャレンジFishボックス」
    鮮魚通販アプリ「サカマアプリ」が販売する「チャレンジFishボックス」
  • 鮮魚通販アプリ「サカマアプリ」が販売する「チャレンジFishボックス」

混入した経緯や原因を調査

   サカマアプリでは3月22日、島根県の水産卸売業者・SOL JAPAN(松江市)とコラボし、「チャレンジFishボックス」を発売した。食べ方が浸透していない、加工に手間がかかるなど、「魚好きにしか捌けないような魚を集めた商品」だとして、山陰地方でとれた魚がランダムに入っている。

   SAKAMAは同商品をめぐり、「除毒されていない状態のヒガンフグが混入し消費者に届いてしまうという事例を確認しました」と公式サイトで発表した。確認したのは3月31日。商品を購入したユーザー全員と連絡が取れたとして、商品回収を進めているという。

   今後の対応について「フグが混入した経緯や原因の調査を行い、今後同様の事例が発生しないよう管轄行政機関とも連携をし対策を講じて参ります」としており、「ユーザーの皆様には、ご心配ご不安をおかけしまして、誠に申し訳ございませんでした」と謝罪した。

厚労省「一般消費者に対し、未処理のフグを販売することは禁じられています」

   厚生労働省の医薬・生活衛生局食品監視安全課水産安全係は4月1日、J-CASTニュースの取材に「一般消費者に対し、未処理のフグを販売することは禁じられています」と話す。フグを取り扱うには、各自治体の定めるふぐ処理者の資格を保有していなければならない。

   またフグを販売する場合には、都道府県知事等が認めるふぐ処理施設の許可なども必要になるとし、インターネット上で未処理のフグを販売することも禁じているという。一般消費者に未処理のフグを販売した業者に対しては、各自治体の判断によるが、衛生指導などが入る可能性があるとしている。

   同省は、消費者に対し、未処理のフグを購入してしまった際には、販売業者と販売業者を所管する保健所に連絡し、絶対に自身で調理し食べないよう呼び掛けている。

   J-CASTニュースの取材に対し、SAKAMAは、「今回の事案につきましては、弊社としても重大なこととして捉えております」と述べる。4月1日には、未処理のフグを販売したことについて、松江保健所と渋谷区保健所に報告したという。

   SAKAMAによれば、同社は魚介類の販売仲介を行う会社であり魚介類販売業の許可は持っていないという。一方で、「チャレンジFishボックス」を販売したSOL JAPANについては、ふぐの処理免許は取得していると説明した。

   現在は販売した経緯の詳細を確認しており、「今後このようなご不安とご迷惑を皆様に与えない様、管理体制を強化して参ります」と再発防止に努めるとしている。

(4月1日19時30分追記)SOL JAPANが取材に回答

   取材に対し、SOL JAPANは1日、フグ混入の経緯について「発送業務担当者の認識の無さ、薄さと、発送前の最終確認を怠ったため同梱に至りました」と振り返った。同社は今回の経緯を次のように説明する。

   「チャレンジFishボックス」は、不確定の鮮魚をその日水揚げされたものの中から販売している。未処理のフグが混入した商品は3件あり、発送済みだった。3月31日に、商品を受け取った客の1人から連絡が寄せられた。当初は客に対し「サカマで購入されるお客様はみんな魚の調理に詳しいから大丈夫かと思いました」「一応、(他の)購入者に連絡対応する」などと説明していたという。

「こちらの認識の無さ、甘さがそのようなご対応となりました。そのような対応がさらにお客様にご不安を与えてしまいましたこと、重ねて深く反省しております」

   客からの指摘を受けた後、社内で共有し重大なこととして受け止めた。SOL JAPANは残りの購入者に電話し、1件は未開封のまま返品を要請し、残りもう1件は発送を停止した。同日18時ごろには管轄の松江保健所に連絡し、食品事故は防がれたとしている。

   翌1日、松江保健所の職員が訪問し、現地確認と指導を受けた。罰則等の処分は無かったという。

   SOL JAPANは、「とても不快な思いをお客様にさせてしまいましたことが今回、食品事故が無かったとはいえ一番の猛省するところです」と振り返る。今後は消費者に不安を与えないよう、法令遵守等に努めるとしている。

「当方に全面的に非があることを重く受け止め、指導いただきましたことはもちろん、食品を扱う立場としてさらに安全管理の認識を深めるべく管轄行政機関と連携して、今後このようなことが起きないよう社内全体で食の安全に努め、再発防止策を講じて参ります」