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異色の料理番組「DAIGOも台所」トレンド沸騰 番組P「見どころはDAIGOさんの成長ぶり」褒めて伸ばす

   料理番組「DAIGOも台所~きょうの献立 何にする?~」(ABCテレビ・テレビ朝日系列)が2022年4月4日に開始した。毎週月曜~金曜、13時30分から15分間放送する。27年間続いた「上沼恵美子のおしゃべりクッキング」の後番組となる。

   初回からネット上で「最高に面白かった」などと好評を博し、出だしは好調だ。番組プロデューサーの矢野政臣さんが、反響への受け止めや見どころをJ-CASTニュースに語った。

  • 「DAIGOも台所~きょうの献立 何にする?~」(c)ABCテレビ
    「DAIGOも台所~きょうの献立 何にする?~」(c)ABCテレビ
  • 「DAIGOも台所~きょうの献立 何にする?~」(c)ABCテレビ

「27か月は続けたい」放送は大好評

   同番組はタレントでミュージシャンのDAIGOさんが司会を務める。料理は「初心者」だという。月曜から木曜は辻調理師専門学校の講師が、金曜は料理コラムニスト・山本ゆりさんが出演し、DAIGOさんが指導を受けながら料理に挑戦する。

   コンセプトは「毎日の献立の悩みを1人で抱えずみんなで解決していこう」。日毎のテーマに沿って3品の「推し料理」が提案され、うち1品を番組内で作る。

   4日に放送された初回でDAIGOさんは、

「個人的な目標としては『家庭で、台所で、戦力になりたい』。『娘のお弁当を1人で作る』。これを僕は最終目標に掲げて頑張っていきたい」

と意気込む。最初のメニュー「ジャガイモと玉ねぎのピリ辛炒め」の調理がはじまると、早速の出番に驚きつつ芋とピーラーを手にするDAIGOさん。入念に皮むきのシミュレーションをし、「先生行きますよ!」と呼びかけて笑いを誘った。

   他の料理番組ではあらかじめ用意されていることもある、調味料の計量をする場面も盛り込まれた。DAIGOさんは時間をかけて慎重に作業したのち、不意に「先生、これ多分...こんな時間かかるとこじゃないですよね」と呟いていた。

   初々しいDAIGOさんに先生は「順調です!」「完璧です。お上手です」といった合いの手を入れつつ、調理パートでは玉ねぎの高速切りなどを披露。

   完成した料理を食べたDAIGOさんは「ん〜」と唸り、満足げな表情を浮かべていた。また、エンディングでは皿洗いをしながら次のように伝える。

「1回目終わったな〜楽しかったな。27年...ん〜27か月は続けたいな」

   ツイッターでは視聴者らから「微笑ましいwww」「DAIGOの初心者っぷりと素直さも良かったし、激甘に優しくて褒め上手な先生も良かった」「一緒に頑張ろうって思える!!」「最高に面白かった」などと好意的な反応があがっている。

   5日には番組の魅力を漫画形式で伝えるユーザーも現れ、26万以上のいいねを集めた。以降、関連ワードがたびたびツイッターのトレンド入りをしている。

「寄り添う気持ち」を重視している

   反響を受けて番組プロデューサーの矢野政臣さんは6日、J-CASTニュースの取材に対し「こんなに話題にしていただいていることは本当に嬉しく思っています」と喜びを表した。

   番組は「男性女性年代問わず、献立に悩む人」をターゲットにしているといい、

「『きょう何にしようかな...』と誰に聞くこともできず悩んでいる人に見てもらい、『あ、これいいかも』と思ってもらえたら、という思いで番組を作っています」

と伝える。加えて「食べるだけで感謝の気持ちがない人」にも届けたいとする。

   番組のこだわりは「望む望まないにかかわらず、毎日ご飯を作らねばならない人に寄り添う気持ち」を忘れないことだという。矢野さんは「たまに料理をする人は楽しく作れるけれど、毎日献立を考えないといけないとなると、それは本当に大変な作業です」といい、具体的に、

「栄養バランスに肉・魚・野菜のローテーション、家族の好みに冷蔵庫の在庫管理、予算繰り、レシピの収集、買い物、後片付け...一言で『料理』といっても、その背景にどれだけの作業があることか!」

と訴えた。この考えに基づく要素のひとつには、DAIGOさんが皿や調理器具を洗う場面があるとする。ほかにも次のように述べる。

「じゃがいもの皮をむく、調味料を量るところを視聴者の皆さんは斬新に感じていただいたようですが、これは日々台所で行われている『当たり前』のこと。その大変もDAIGOさんに実感してもらいたくて、取り入れています。

多くの人が『当たり前』と感じるようなことでも、ほぼ初心者のDAIGOさんから見れば感心することも多々あります。その初々しさを楽しみつつ、そして作ってくれる人への感謝も感じてもらえたら嬉しいですね」

   見どころに「DAIGOさんの成長ぶり」を挙げつつ、視聴者に向けて「DAIGOさんと一緒に成長してほしいと思います」とエールを送る。

   また自身がコロナ禍でリモートワークや子供の休校などを経験するなかで実感したことも制作に影響しているといい、「副菜の提案も『これメインで作ったらあと何したらええねん!』という体験談からやっていますので、そこも楽しんでもらえたらと思います」という。

DAIGOさんは「褒められて伸びるタイプ」

   DAIGOさんを起用した理由については、「普段料理をしていない人で、やる気はある人だったからです」と明かす。矢野さんは「機会ときっかけがなかっただけ」と分析し、

「子どもが産まれて、離乳食から普通の食事になってきたタイミングで『自分も台所で戦力になりたい』と思っていたという話を聞いて、ぜひお願いしたいと思いました」

と、経緯を説明した。

   ネット上ではDAIGOさんに対する先生の褒めっぷりも注目を集めている。これは意識的に行なっていたのか。まず矢野さんによると、DAIGOさんは「僕、褒められて伸びるタイプです」と話していたという。そして、

「そもそも辻調の先生方は専門学校の先生なので、非常に教え方が上手です。金曜講師の山本ゆりさんも小さなお子さんがいらっしゃることもあり、とても丁寧に教えてくれます」

とする。続けて「そうした環境もあり、褒めて伸ばす感じになっているのだと思います」。また矢野さんは、「最近世の中もギスギスしている気がするので、みんな褒められたいですし、褒められるとやる気も出て幸せですよね笑」ともいう。

   今後については、視聴者の声を反映しながら「本当に役に立つ、長く愛される番組」を目指すとし、このように意気込んだ。

「美味しいものを食べている時、人はすごく優しい気持ちになれると思います。家庭の平和が世界平和にもつながっていると思いますので、これからも美味しいレシピをお届けしていきたいと思います!」