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衆院選「362万の立憲民主党に投票したい方が『民主党』と書いた」 国民との案分票大量発生も泉代表主張

   立憲民主党が2021年秋の衆院選に続いて22年夏の参院選も「民主党」を比例代表の略称として総務省に届け出る方針を決めたことについて、泉健太代表が4月22日の記者会見で、改めて理由を説明した。

   泉氏は、衆院選では「362万票の立憲民主党に投票したいという方が民主党と書いた経過」があると説明。「民主党」と書かれた票の大半が立憲を念頭に置いたものだったと主張した。「民主党」が目立つ旧ロゴの構成を挙げながら、「ぱっと見で『民主党』という打ち出し方は2017年以降もそれなりにしてきた」として、「立憲民主党の略称が民主党だというふうに認識をしている方も一定層おられるから、前回はそれだけの票が出た」とも述べた。

  • 定例会見に臨む立憲民主党の泉健太代表(写真は立憲民主党配信の動画から)
    定例会見に臨む立憲民主党の泉健太代表(写真は立憲民主党配信の動画から)
  • 定例会見に臨む立憲民主党の泉健太代表(写真は立憲民主党配信の動画から)
  • 2019年参院選のポスターには立憲民主党の旧ロゴが使われていた。「立憲」よりも「民主党」が大きくなっている(19年6月撮影)

神奈川県連からは「民主党」方針に異論

   前回19年参院選では、立憲が「りっけん」、国民民主が「民主党」の略称を届け出ていたが、21年衆院選では立憲も「民主党」を届け出たため、大量の案分票が発生した。21年の衆院選の比例代表では「民主党」と書かれた票は362万6320票にのぼり、立憲に295万8201.722票、国民民主には66万8116.241票が割り振られた。その結果、立憲は比例で1149万2094.722票、国民民主は259万3396.241票を獲得。両党とも、案分票の割合は25%を超えた。

   こういった事態が繰り返されることで、引き続き有権者に混乱を招くことは必至。4月19に開かれた党の会議でも、神奈川県連から異論が出ている。

   泉氏は、21年の総選挙でも「立憲」や「りっけん」にしていれば「今のような問題は起きていない」とする一方で、

「しかし、様々な経緯の中で、前回『民主党』という略称になって戦った結果、362万票の立憲民主党に投票したいという方が民主党と書いた経過があって...」

などと発言。362万票の「民主党」票は、「立憲民主党に投票したいという方」によるものだったとの見方を示した。

旧ロゴは「『立憲』よりも『民主』が大きい形になってますね」

   視察先で見かけた掲示板で使われていた立憲の旧ロゴが「『立憲』よりも『民主』が大きい形になってますね」とも。旧ロゴは、旧国民民主と合流するまでの旧立憲(17~20年)時代に使われていた。泉氏は次のように話し、立憲としても「民主党」の名称を強調してきた経緯があると主張した。

「ぱっと見で『民主党』という打ち出し方というのは2017年以降もそれなりにしてきた経緯があって、やはり立憲民主党の略称が民主党だというふうに認識をしている方も一定層おられるから、前回はそれだけの票が出た」

   ただ、泉氏の執行部としては「立憲」(りっけん)という単語を普及・浸透させていきたい考えで、「いつまでもこの状態を続けると言うつもりはない」とも話した。それまでには一定の時間がかかるとして、泉氏が主張するところの「民主党=立憲民主党」票への配慮が必要だとしている。

「前回、まだ半年前の総選挙で362万、そのうちの多くが『立憲民主党』と『民主党』という略称を結びつけて、略称を書いていただいた方々がおられるので、その皆様に説明を尽くしつつ、まず来るべき参院選は、これまで通りの略称で戦っていくということになった」

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)