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保育園に「モルカー」!? 乗り込める遊具がSNSで話題、子供たちの反応は

   アニメ「PUI PUI モルカー」に登場するモルモットの車「モルカー」に乗ってみたい――そんな夢を叶える遊具が販売されていると、ツイッターで話題になっている。子供たちが乗車できる大きさで、車内にはハンドルが設けられている。ファンの間では「乗りたい!」「近所に欲しい」といった声が広がっており、中には自宅に置きたいという声も上がっている。

   いったいどんな遊具なのか、子供たちからはどのように受けられているのか。J-CASTニュース編集部は2022年4月中旬、販売元と設置している認定こども園に取材した。

  • 若葉園に設置されたモルカーの遊具(写真:@nicoti__さん提供)
    若葉園に設置されたモルカーの遊具(写真:@nicoti__さん提供)
  • 若葉園に設置されたモルカーの遊具(写真:@nicoti__さん提供)

「あのモルカーに、実際に子どもたちが乗れたら」

   「PUI PUI モルカー」は、2021年に子ども向け番組「きんだーてれび」(テレビ東京系)内で放送された。個性豊かなモルモットの車「モルカー」たちの日常を描いた作品で、「癒される」と人気を博した。

   児童書の出版などで知られるフレーベル館(東京都文京区)は21年11月下旬、メインキャラクターの「ポテト」を遊具にした「PUI PUI モルカー ポテトごう」を発売した。幅や奥行きは1メートル以上、高さは75センチ。1歳半~3歳頃の子どもたちを対象にしており、実際に乗り込むことができる。値段は45万1000円(税込み)。

   取材に対しフレーベル館の担当者は、「あのモルカーに、実際に子どもたちが乗れたらかわいいだろうなぁ...」という思いから販売したと述べる。

   モルカーは、アニメではふわふわとした羊毛フェルトで表現された。しかし遊具にするとなると、耐久性と安全性が求められる。フレーベル館は、両面を考慮ながら、「いかに『ころん』としたシルエットを生かすか」を意識した。

「キュートな顔はもちろんですが、ぷりっとしたお尻もかわいく仕上がったので、ぐるっと一周見ていただきたいです」
ハンドルは、あえて2個設置した。「一緒に遊ぶ」ことが大事だと考え、子供たちが並んで座りながらドライバー気分を楽しめるようにした。

   商品は21年4月11日、アニメのファンによってツイッターで紹介された。投稿には5299件のリツイート、8248件の「いいね」が寄せられる大きな反響があった。

「モルカー」未放送地域の子供たちにも大好評

   子供たちからはどのように受け入れられているのか。21年12月下旬から設置を始めた、広島県福山市の幼保連携型認定こども園「若葉園」に取材した。

「低年齢の子供たちが遊ぶところに設置しているのですが、年上の子供たちからも『遊びたい』と残念そうに声をかけられることがあります。
遊具は先生や保護者からも好評です。道沿いに設置しているため、興味を持ってくれる通行人もいました」

   園長の岡部義麿さんによると、子供たちは遊具に乗ってハンドルを回して遊んでいるという。道路を望む安全な場所に設置したため、子供たちは走行する車を眺めながら運転気分を楽しんでいるそうだ。

   岡部さん自身はモルカーについて詳しくはなかったという。設置理由について、次のように説明する。

「園内にハンドルを回して遊ぶことのできるアンパンマンの遊具があり、こちらが好評だったことから同様の遊具を探していました。信頼しているメーカーが製造した商品で、角のない丸いフォルムが子供にケガを負わせることがなく安全だと判断し、商品説明を受けたうえで購入しました。
広島では放送されていない『モルカー』が大きな話題になっていることは購入後に知り、驚いています。サブスク形式の配信に親しむ親子が多いのだと感じました」

大人も乗れるの?

   ツイッターでは大人からも「乗りたい」といった声が寄せられたが、岡部さんによれば、大人が乗り込めるスペースはないという。フレーベル館の担当者も「残念ながら大人は乗車できません」と回答した。

「主に低年齢が遊ぶ想定で設計されているため、残念ながら大人は乗車できません。ですが一緒に記念撮影をしたり、モルカーごっこを子どもたちと一緒に楽しんでいただけるとうれしいです」

   「家に欲しい」といった声も寄せられていたが、幼稚園・保育所・認定こども園にのみ限定販売しており、個人で購入することはできないとする。

   こうしたインターネット上の反響について、担当者は次のように振り返った。

「担当した製品をSNS上で発見したときは、驚きでした。
アニメのモルカーの大ファンなので、とてもうれしい気持ちです。
どのくらいの方々に認知されているのかと不安だったのですが『知ってる!』『大好き!』という子どもたちの声や、 大ファンの先生もいらっしゃるので、人気の高さを実感しています」