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国民民主は「野党として政権交代めざす?」 質問に玉木代表「参院選に生き残ることが全て」

   2022年夏の参院選で、日本維新の会と国民民主党が京都選挙区(改選数2)と静岡選挙区(同)で、それぞれが推す候補を相互推薦する取り組みで、国民民主側の立ち位置が迷走している。

   合意文書には、両党が「政権交代を実現して日本再生のために尽力する」ことがうたわれていたが、国民民主内部で異論が噴出。「党内の適正な手続きを経たものではなかった」として、幹事長レベルで再協議することになった。玉木雄一郎代表はこれまで、国民民主の立ち位置は「野党」だと主張してきた。ただ、4月26日の定例会見で「あくまで野党として政権交代を目指す」という立ち位置か否かを確認されると「とにかく次の参院選に生き残ることが全て。生き残れないと、その先の姿も『どことどう組んで何か』ということもあり得えない」。今回の会見では「野党」だという主張を展開することはなかった。

  • 記者会見する国民民主党の玉木雄一郎代表(写真は国民民主党配信の動画から)
    記者会見する国民民主党の玉木雄一郎代表(写真は国民民主党配信の動画から)
  • 記者会見する国民民主党の玉木雄一郎代表(写真は国民民主党配信の動画から)

相互推薦については「確かに決めている」が...

   維新と国民民主が結んだ合意文書は全3項目。相互推薦について記述した最初の項目に続いて、

(2)その前提として両党は、国会議員定数の削減、国会議員歳費の削減、企業団体献金の禁止など、「身を切る改革」を実行し、その実現のために尽力する。
(3)また両党は、「新しい国のかたちの創造的改革の推進に関する基本法案」を国会に共同で提出し、成立を図るとともに、立法の背景に横たわる「日本凋落の30年」の原因、課題に果敢に取り組み、政権交代を実現して日本再生のために尽力する。

という2項目が掲げられている。玉木氏によると、1.の相互推薦については「確かに決めている」が、「2.と3.の条件がついていたということについては、必ずしもそういう認識で党内手続きをしていない」。そのため、

「1.と2.と3.の関係がどうなるのか、そういったことも含めて、改めて協議をするということで指示をしている」

と説明している。

   「政権交代を実現」の文言が盛り込まれた合意文書を発表した4月20日の記者会見には、国民民主から前原誠司選対委員長と榛葉賀津也幹事長が出席。前原氏はこの会見で、「非自民・非共産の枠組み」の範囲内で立憲民主党との協力の余地が残されているとの考えを示している。原油価格高騰対策について自民、公明、国民民主の3党による実務者協議を進めてきた経緯からは隔たりがあるようにも見える立ち位置だ。

「生き残れないと、その先の姿も『どことどう組んで何か』ということもあり得ない」

   こういった点を念頭に、玉木氏の会見では、

「国民民主党の立ち位置として、あくまで野党として政権交代を目指す、長い目で見て政権交代を目指すための政党、という立ち位置なのか」

という質問が出た。玉木氏は、「我々、とにかく次の参院選に生き残ることが全て」と応じ、「生き残れないと、その先の姿も『どことどう組んで何か』ということもあり得ない」とも。「政策本位で協力できる政党とは協力しながら政策を実現し、参院選に臨んでいきたい」と話した。 その上で、

「参院選後の姿として、連立与党入りという選択肢があるのかを、一応確認させていただきたい」

という質問も出た。玉木氏は次のように話し、与野党をめぐる立ち位置については明言しなかった。

「生き残ることが全てですので、その先のことについて申し上げる資格もございませんので...。とにかく、参院選を何とか、現有を維持し、1議席でも多く増やしていく。そのために、力を合わせて頑張っていきたいと思いますし、またそのためにも、政策実現力ということも、しっかりと皆さんにも提示していきたいと思ってます」

   今回の問題をめぐっては、玉木氏が前原氏に注意し、前原氏は謝罪したという。ただ、前原氏の説明については「細かい話は差し控えたい」として、明らかにしなかった。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)