J-CAST ニュース ビジネス & メディアウォッチ
閉じる

「ちむどんどん」盛り上がりはこれから? 識者が分析した「物足りなさ」の理由

   「ちむどんどん、全然ちむどんどんしない」――こんなツイートが相次いでいる。NHK連続テレビ小説「ちむどんどん」に対してのものだ。

   ちむどんどんは、沖縄方言で「ワクワクする」という意味。それが「全然ない」ということは、つまり......。

  • 黒島結菜さん(写真:2019 TIFF/アフロ)
    黒島結菜さん(写真:2019 TIFF/アフロ)
  • 黒島結菜さん(写真:2019 TIFF/アフロ)

「何もかもまだちむどんどんしない」

   同作は朝ドラの106作目として2022年4月11日から放送を開始。舞台は返還前の沖縄で、11日から2週間にわたって子役が出演する幼少期編が放送されたあと、25日からは主演の黒島結菜さん(25)が本格的に登場し、1971年の様子が描かれている。

   ドラマは現在、第3週が終わったところ。内容は、黒島さん演じる主人公・比嘉暢子が、高校卒業を控えて就職先が沖縄県内の商事会社に内定するも、希望する営業担当者としてではなく、お茶くみをメインとする雑用係に配属されることを伝えられ、それに落胆するという演出があった。事実、26日のラストシーンは、そのことを気に病んだ暢子が、

「うちの青春、もう終わってしまうのかねー? 第2章が始まると思って、ちむどんどんしてたのに」

とつぶやいて終わるというものだった。

   主人公が自らの将来を案じるという、今後の展開を暗示する放送内容が続いたにもかかわらず、ここまでの放送内容に対しては、

「ドラマの展開 ちむどんどんしない#ちむどんどん」
「ココロがワクワクドキドキしない...朝ドラ的に言うとちむどんどんしない...」
「今回の朝ドラは離脱するかも。。。何もかもまだちむどんどんしない」

といった手厳しい声も出ている。

   このような反応について、J-CASTニュース編集部はドラマ、演劇、映画に詳しいライターの木俣冬氏に意見を聞いた。

「カムカム」の刺激が強すぎた?

   まず、編集部は木俣氏に、「ちむどんどんに対し、視聴者がつまらないという感情を抱いてしまうとしたら、それは何が原因なのか」という質問をぶつけてみた。

「前作『カムカムエヴリバディ』の刺激が強すぎたのではないでしょうか。『カムカム』はヒロインが3人交代しながら、1925年から2025年までの100年間を描くというこれまでにない構成で、興味を引きました」

   併せて、木俣氏は以下のようにも指摘した。

「また、(カムカムの)脚本家・藤本有紀さんが、最近、視聴者が好む『伏線』が得意な作家で、世代が変わっても、前の世代と関連のある人物や出来事が次々登場し、楽しめる要素が満載でした。一方『ちむどんどん』は沖縄を舞台に主人公の成長を描くホームドラマというかなりオーソドックスなスタイルで、安定感はあるものの、情報量やテンポ感に物足りなさを感じてしまうような気がします」

   また、編集部は「『カムカムエヴリバディに比べると』、『ちむどんどん』は盛り上がりに欠けるドラマなのか」という質問もぶつけてみた。これに対し、木俣氏は、

「判断は時期尚早です。『カムカム』は右肩上がりに盛り上がっていったとはいえ序盤は王道朝ドラの印象もありました。それがポイントポイントで強烈なエピソードがあってSNSで話題になりました。『ちむどんどん』は3週めの段階でまだヒロインにとっての本題に入っていないため、ヒロインの活躍の場が少なめです。今後、ヒロインが東京に行って料理人修業をはじめるとまた雰囲気が変わっていくのではないでしょうか」

と指摘。あわせて、

「また、ヒロイン役の黒島結菜さんの姉妹を演じているのが川口春奈さん、上白石萌歌さんとヒロインもできそうな俳優たちで、3人、それぞれが活躍したら華やかで注目が集まる可能性はあります」

とも指摘した。

(J-CASTニュース編集部 坂下朋永)