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巨人の正捕手問題は「今後も続く」 「本来なら強打の大城卓三が理想」だが...原監督の起用法は

   2回途中で屈辱の途中交代。巨人・大城卓三は一塁ベンチで悔しさを押し殺す表情を浮かべ、グラウンドを見つめていた。

   2022年5月15日の中日戦(東京ドーム)。先発の高橋優貴が2回に先頭打者のビシエドから4連打を浴びるなど6本の集中打を浴びて4失点KO。早々と降板を告げられると、スタメンでマスクをかぶった大城も退いた。

  • 巨人の原辰徳監督
    巨人の原辰徳監督
  • 巨人の原辰徳監督

「創意工夫することでまた評価も変わってくる」

「原(辰徳)監督が大城に求める水準は高い。そのハードルを乗り越えられる選手と期待されている証です。ただ現状はまだまだ物足りない。大城が磨かなければいけないのは洞察力です。相手の状態、球場の特性など様々な要素を考えて配球を組み立てなければいけないのですが、大城のリードは単調に感じてしまう。もちろん本人は色々考えてやっているでしょうけど、相手打線に打たれだすと止まらなくなる。投手との共同作業なので、大城だけの責任ではないですが、創意工夫することでまた評価も変わってくると思います」(スポーツ紙デスク)

   「強打の捕手」と評される大城だが、守備でも成長している。20年はチームトップの71試合で先発マスクをかぶり、盗塁阻止率が19年の.172から.340と改善。リーグ連覇に貢献し、自身初のベストナインを受賞した。昨年も125試合出場でリーグトップの盗塁阻止率.447をマーク。ただ、自慢の打撃は打率.231、11本塁打、37打点と振るわず。本塁打数は自己最多を更新したが、好不調の波が激しかった。

   今季はここまでチームトップの30試合でスタメンマスクをかぶり、打率.263、2本塁打、11打点。得点圏打率.333と勝負強さを発揮しているが、途中交代した15日の中日戦は初回2死満塁の好機で、柳裕也の外角低めの直球に手が出ず見逃し三振。先制機を逃した。

   阿部慎之助(現1軍作戦兼ディフェンスチーフコーチ)という球界を代表する正捕手がいた時代とは違う。小林誠司は打撃面が課題で19年以降は正捕手をつかめず、「将来の正捕手」と嘱望された岸田行倫も今季の開幕を2軍で迎えるなど1軍定着できない。大城が正捕手に最も近い存在だが、その打力がチームに不可欠と言えるほど打っているわけではない。ファンによって評価が分かれる選手だ。

「正捕手を固定できない問題は今後も続くでしょう。投手との相性などに合わせ、大城、小林、岸田の3人を起用していく形になるのではないでしょうか。本来なら強打の大城が正捕手に座るのが理想ではありますが...」(前出のスポーツ紙デスク)

   グラウンドで司令塔役を務める捕手は大事なポジションだ。原監督の今後の起用法が注目される。(中町顕吾)