J-CAST ニュース ビジネス & メディアウォッチ
閉じる

ナイスネイチャ34歳バースデードネーションに「5400万円超」 引退馬の再就職支援などに活用

   レースを引退した競走馬を支援するNPO法人「引退馬協会」は2022年5月25日、引退馬「ナイスネイチャ」の誕生日にあわせて開催した「ナイスネイチャ・34歳のバースデードネーション」に総額5410万3738円の支援が寄せられたと発表した。

   昨年の募金額は3582万9730円だったが、それを大幅に超える結果となった。

  • ナイスネイチャ・34歳のバースデードネーション
    ナイスネイチャ・34歳のバースデードネーション
  • ナイスネイチャ・34歳のバースデードネーション

「前回の寄付金額を上回ることはないのではないかと予測しておりました」

   ナイスネイチャは、4月16日に34歳になった元競走馬だ。人間にすると95歳くらいだという。生涯成績は41戦7勝。年末に行われる「有馬記念」(GI)で1991年から3年連続3着という記録をとったことから、「3」という数字にゆかりのある馬として愛されている。引退後は引退馬協会の里親制度によって、多くの人々に支えられながら余生を送っている。

   そんなナイスネイチャの誕生日に合わせて、協会は4月16日から5月15日まで寄付を募った。支援金は過去にレースで活躍した元競走馬やその繁殖馬らを支援するために使われる。今年は「再就職支援」をテーマとし、引退競走馬に適切な再調教を施し、乗馬やコンパニオン用の馬として活躍できるように支援するとしている。

   その結果、総額5410万3738円の寄付が寄せられた。引退馬協会代表理事の沼田恭子さんは発表で、「正直に申し上げて、今年は前回の寄付金額を上回ることはないのではないかと予測しておりました」と振り返る。昨年は大ヒット中のゲーム「ウマ娘 プリティーダービー」の影響で、当初の目標額200万円を大幅に超える総額3582万9730円の支援が寄せられている。今年も1万7152人から寄付が寄せられ、あっという間に目標金額の850万円を超えたとのことだった。

   協会は12頭の馬を引き取ったものの収支に余裕があることから、新たに10頭の馬の引き取りを募るという。寄付金は協会の人件費等の一般管理費には用いず、全額を馬のために活用するとしている。具体的には引き取った馬に再就職支援を施し、譲渡先のマッチングを行うほか、譲渡先が決まらなかった馬については引退馬協会で最後まで責任をもって繋養するとしている。

   沼田さんは発表で、募金を行った人々に次のように感謝を述べた。

「ご寄付をしていただいた皆様、本当にありがとうございました。皆様のご期待に副うべく、一頭でも多くの馬が天寿を全うできるよう傾注していく所存です。今後とも、当協会の活動及び引退馬の動向について注視していただけたら幸いです。皆様のご多幸を祈念し、お礼のご挨拶とさせていただきます」