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巨人・小林誠司は「目立たないが貢献度大きい」 他球団首脳も評価する「気配りの姿勢」とは

   巨人が交流戦でオリックスに2連勝と好スタートを切った。2試合とも1点を争う拮抗した試合だったが、きっちり勝ち切る戦いぶりに地力の強さが垣間見える。

   「縁の下の力持ち」として貢献しているのが小林誠司だ。25日の同戦に8回の守備から途中出場。同点の場面で宗佑磨、中川圭太、マッカーシーのクリーンアップを迎える勝負所だったが、鍬原拓也を好リードで三者凡退に導いた。

  • 小林誠司(写真:ZUMA Press/アフロ)
    小林誠司(写真:ZUMA Press/アフロ)
  • 小林誠司(写真:ZUMA Press/アフロ)

「『抑え捕手』という起用法は面白いと思います」

   マッカーシーはシンカーで追い込むと、外角低めの151キロ直球で見逃し三振。直後に2点を勝ち越すと、9回は守護神・大勢に150キロを超える直球を果敢に要求。先頭打者の出塁を許したが後続を締めて逃げ切った。

「目立たないですが小林の貢献度は大きい。強肩、キャッチングが巧いだけでなく、打者の様子を見て巧妙に配球を組み立てている。投手からすると安心感がありますね。正捕手は大城卓三ですが配球が偏る傾向がある。試合途中から捕手で入るのは難しいのですが、小林はその役回りを十分に全うできる。勝ち試合で試合終盤から出場する『抑え捕手』という起用法は面白いと思います」(スポーツ紙記者)

   今季のスタメン出場数は12試合。大城は37試合と大きく差をつけられている。だが、大城が正捕手で決まりかというと、そこまでの信頼は得られていない。今月15日の中日戦(東京ドーム)で、先発の高橋優貴が2回に先頭打者のビシエドから4連打を浴びるなど6本の集中打を浴びて4失点KOされると、先発マスクをかぶった大城も同じタイミングで退いた。

小林誠司は「繊細さを持っている捕手」

   「強打の捕手」として評価が高い大城だが、20年に盗塁阻止率が.340でリーグ連覇に貢献。昨年も125試合出場でリーグトップの盗塁阻止率.447をマークしている。守備が売りの小林は苦しい立場だが、捕手は目に見える数字だけで評価されるわけではない。

   「正解がない」とされる配球で投手の長所を引き出し、相手打線を抑えていくか。状況に応じて投手に対する声掛けも重要だ。小林はこの点で投手陣の信頼が厚い。他球団の首脳陣も「目配り、気配りができる。繊細さを持っている捕手だよね」と評価する。

   かつてはレギュラーで侍ジャパンにも選出されたが、近年は大城に正捕手の座を譲り出場機会が減っている。打撃面が課題とされるが、大城にはない小林の良さもある。普段は対戦しないパリーグとの球団との交流戦。小林の活躍がカギを握りそうだ。(中町顕吾)