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ヤクルト「黄金時代」到来か 主力離脱も若手台頭...選手の力引き出す「高津マジック」

   交流戦を4勝2敗と好スタートを切ったヤクルト。貯金11で首位を堅持している。

「昨年のリーグ優勝、日本一が選手たちの自信につながっているように感じます。主力選手を欠いても代役で出場する選手たちがきっちり仕事をする。青木宣親、山田哲人、村上宗隆と世代が違う3人がきっちり軸になり、意識の高い集団になっている。黄金時代が続くのではないでしょうか」(スポーツ紙デスク)
  • 東京五輪でも活躍した村上はまだ22歳だ(写真:長田洋平/アフロスポーツ)
    東京五輪でも活躍した村上はまだ22歳だ(写真:長田洋平/アフロスポーツ)
  • 東京五輪でも活躍した村上はまだ22歳だ(写真:長田洋平/アフロスポーツ)

奥川、中村、サンタナが離脱も...

   今年は正捕手・中村悠平が下半身の張りで3、4月が不在の状況だった。さらに、打率.343、4本塁打、10打点と絶好調だった主砲のサンタナも4月7日に下半身のコンデイション不良で長期離脱。2人の中心選手を欠き、大きな戦力ダウンが危惧されたが、捕手陣は内山壮真、古賀優大、松本直樹ら若手たちが奮闘。外野も山崎晃大朗、太田賢吾、濱田太貴が勝負強い打撃を見せ、3,4月の月間成績15勝12敗と好スタートを切った。中村が復帰した5月以降は15勝7敗と貯金を順調に積み重ねている。投手陣ではエースとしての働きが期待された3年目・奥川恭伸も離脱中だ。

   交流戦は打線が好調で劇的な試合が目立つ。

   24日の日本ハム戦(神宮)で同点の延長11回に村上宗隆の14号サヨナラ2ランを放つと、翌25日の同戦は2点差を追いかける9回に山崎晃大朗が逆転サヨナラ1号右越え3ラン。さらに、27日の楽天戦(楽天生命パーク)は塩見泰隆が自身初の1試合3本塁打で5打点と大暴れし、8-1と快勝した。翌28日の同戦も3点ビハインドの5回にオスナの4号左越え3ランで同点に追いつくと、山崎の遊撃適時内野安打、山田哲人の9号左越え2ランと一気に畳みかけて一挙7得点の猛攻。その後も得点を積み重ねて11安打11得点で圧勝した。

高津監督は「名将と呼んでいい」

「勢いだけで勝っているわけではありません。高津監督はプロ3年目の長岡秀樹を開幕から遊撃で抜擢して起用し続けている。昨年までのプロ2年間で1軍出場は11試合と経験が浅かったが、実戦で結果を残せば起用する方針が徹底している。2軍監督を経験しているだけに、選手のモチベーションの上げ方に長けている。投手陣も1年目の昨年は1軍登板なしに終わったドラ1右腕の木澤尚文が中継ぎで好投を続けている。ヤクルトは選手層が厚いチームではないが、高津監督が適材適所の起用法で選手の能力を引き出している。名将と呼んでいいと思います」(テレビ局記者)

   誰もがヒーローになれる環境だから、熾烈な競争が繰り広げられてチーム力の底上げにつながっている。野村克也元監督の教えを受けた高津監督は采配力と人心掌握術で、名監督への道を歩んでいると言って良いだろう。(中町顕吾)