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売れ行き好調、話題のローソン「飲むハッピーターン」なぜ誕生? 社内では驚きも...異色コラボの舞台裏

   ローソンが亀田製菓のロングセラー商品「ハッピーターン」をイメージしたドリンク「飲むハッピーターン オ・レ」を発売し、SNS上で驚きが広がっている。

   ハッピーターン独特のあまじょっぱさをミルクに溶かし、「やみつきになる味わい」だという。J-CASTニュースは2社に協業の経緯を取材した。

  • 飲むハッピーターン オ・レ
    飲むハッピーターン オ・レ
  • 飲むハッピーターン オ・レ
  • からあげクン ハッピーターン味
  • Lチキ ハッピーターン味
  • 東洋水産 ハッピーターン味焼そば
  • パウダーまみれのハッピーターン
  • 不二家 ホームパイミニ ハッピーターン味

「あまじょっぱい」をキーワードにコラボ商品を選定

   ローソンは2022年5月24日、「ハッピーターン」とコラボした新商品を発売した。ラインアップは、「からあげクン ハッピーターン味」、「Lチキ ハッピーターン味」、「飲むハッピーターンオ・レ」、「ホームパイミニ ハッピーターン味」、「パウダーまみれのハッピーターン」、「マルちゃん ハッピーターン味焼そば」の6品だ。

   ハッピーターンは、楕円形のせんべいに「ハッピーパウダー」と呼ばれる粉をまぶした米菓。第一次オイルショックの影響で日本全体が不景気で落ち込んでいた1976年に、亀田製菓が「幸せ(ハッピー)がお客様に戻って(ターン)来る」という願いを込めて発売した。

   取材に対し亀田製菓は、「更に多くのお客様にハッピーをお届けしたい、より多くのお客様にファンになっていただきたい」という思いからコラボ企画を考えたと明かす。様々なコラボ商品を通じて、ハッピーターン特有の美味しさを実感してほしいと意気込む。

   ローソンは、「米菓の垣根を超えて、ファーストフードやチルド飲料等とコラボすることで、コンビニに来店される幅広い世代のお客様に対して美味しさやワクワク感をご提供できる」と考え、コラボに踏み切ったと述べる。

   コラボ商品は、ローソンが「あまじょっぱい」をキーワードに、相性が良いと思われる商品を選定し開発した。ただし即席麺については、自社ブランド商品ではないため、見送った。

「ドリンク化」を提案された亀田製菓の反応は

   ツイッターでは、コラボ商品の中で唯一のドリンク「飲むハッピーターン オ・レ」に大きな注目が集まっている。味については賛否両論で、「やみつきになる」という声から「苦手」と言う声までさまざまだ。

「海で泳いでいるかのようにツンとした痛みが鼻の奥まで来る。再現度は高過ぎ」
「飲んでる時はめっちゃ甘い 後味が少ししょっぱい 不思議な味」
「ハッピーターンオレ甘じょっぱくて美味しいじゃん」

   中には「なぜ飲み物にした?」という声も。こうした疑問に、ローソンは次のように答える。

「ローソンのカップ飲料では、これまでにソフトクリームをそのまま飲んでいるような『飲むソフトクリーム』をはじめとした『飲む〇〇』という商品をシリーズ化して販売しており、どれも大変ご好評いただきました。
そこで、あのやみつきになるハッピーターンをミルクに溶かしたら、やみつきになる味の商品が出来るのではないかという発想から生まれました」

   ハッピーターンをドリンクにすることについて、社内では驚きがありつつも「コラボ商品として楽しく話題にしていただけるのでは」という期待があったという。提案を受けた亀田製菓は、当時をこう振り返る。

「ドリンクでハッピーターンのあまじょっぱさを再現するということで、お煎餅メーカーの当社ではどんな商品が出来上がるのか想像もできませんでした。ワクワクしながら商品の完成を待っていました」

売れ行きは「予想以上にご好評」

   「飲むハッピーターン オ・レ」の開発について、ローソンは「ハッピーターンならではの、あまじょっぱさの再現には苦労しました」と振り返る。甘さが強くなりすぎてしまったり、しょっぱさが多くなってしまったり、ミルクとのバランスの調整に開発時間を要したという。

「最終的には本商品のために原料(シーズニング)から独自に開発することで味を近づけております。
約20回の試作を重ね、亀田製菓様には約10個のサンプルを試していただきました」

   売れ行きについては、「予想以上にご好評いただいており、最近発売した新商品の中でも上位にくる販売実績です」と明かす。数量限定商品のため、既に販売を終了した店舗もあるとのことだ。賛否両論な感想は、次のように受け止めた。

「様々なご意見・ご感想いただき、話題になっていることを大変ありがたく思っております。 お褒めの言葉も『苦手』というご意見も真摯に受け止め、今後の商品開発に活かしていきたいと思います」

(J-CASTニュース編集部 瀧川響子)