J-CAST ニュース ビジネス & メディアウォッチ
閉じる

朝倉未来、物議の「THE MATCH」地上波中止に持論 「現状を見てください」

   総合格闘家の朝倉未来さんは2022年6月1日、公式YouTubeチャンネルを更新し、フジテレビが6月19日に行われる那須川天心-武尊戦をメインとする総合格闘技・RIZINのイベント「THE MATCH 2022」の生中継を中止したことについて私見を述べた。

   朝倉さんは地上波放送を求める声に理解を示しつつも、日本の格闘家が収入を確保し、世界で戦えるようになるためには、コンテンツごとに視聴料を払うペイ・パー・ビュー(PPV)方式へ移行すべきだとした。

  • 朝倉未来さん(写真:Motoo Naka/アフロ)
    朝倉未来さん(写真:Motoo Naka/アフロ)
  • 朝倉未来さん(写真:Motoo Naka/アフロ)

「地上波は今後なくなっていったほうがいい」

   「THE MATCH 2022」の地上波中継見送りを受けて、朝倉さんは6月1日にツイッターで見解を連投。「地上波って今そんな大事かな」「どこで放送してても見られると思うんだよな結局 今はそういう時代」などとツイートし、賛否両論を呼んでいた。

   その後、同日に公開した「天心VS武尊の地上波放送がなくなった件について」と題した動画で朝倉さんは、ツイッターだけでは自分の真意が伝わっていないのではないかと思い、YouTubeで改めてこの件に触れると説明した。

   朝倉さんは「『地上波でやって欲しい』というのはめっちゃわかる。一視聴者だとしたら俺もそう思う」とし、那須川選手と武尊選手が今試合の地上波放送を熱望していることには「そこに関しては(中継)やった方が良かったんじゃないかなと思う」と理解を示した。

   その一方で「格闘家・興行主的な目線で見たら、地上波(での中継は)は、今後なくなっていったほうがいいと思う」と言い切る。朝倉さんによると、格闘技を地上波で無料放送しているのは日本くらいで、海外ではPPVで試合を有料観戦する文化が根付いているとのこと。日本では総合格闘技を認知させるために無料中継が行われてきたが、お金を払うファンが増えた今では「(無料で)やる必要がないと思うんだよね」と私見を述べた。

「お金の為じゃねえ」那須川選手の発言に「俺は全く反対の意見」

   さらに朝倉さんは、那須川選手がツイッターに「お金の為じゃねえんだよ 未来の為にやってんだよ 子供達はどうすんだよ」と投稿したことにも言及。その上で「俺は全く反対の意見。俺はPPV志向に切り替えない限り、格闘技の未来はないと思っている」と持論を展開し、「だって現状を見てください。格闘家一本で食ってる人って、0.0001%ぐらいしかいないですよ」と説いた。

   続けて、ほとんどの選手が格闘家としての収入では生活が成り立たず、仕事を掛け持ちしながら練習に励んでいる現状について「だから日本人は(世界で)勝てないと思いますよ。環境が良くない」と嘆いた朝倉さん。「海外みたいにPPVの文化に変わったら、選手たちに入るお金が確実に増えるわけ。多分、0が1つか2つ増える」と述べ、「そうなってくると格闘家一本で食べていける人も増えるし、格闘家のレベルが上がって世界と戦える選手がどんどん出てくると思う。『格闘技は夢があるから始めたい』という人もめっちゃ出てくると思う」と予測した。

   そして朝倉さんは「『子どもたちが観れない』とかそういう意見もわかるんだけど、そこはABEMAが年齢の低い子たちにはもっと格安にして売るとかさ。できるかわからないけど」とし、「だけど『子どもが観れないから無料にしたほうがいい』という意見は違うと思っていて。日本の格闘技の未来を見るんだったら、この試合を機にPPV志向に変わったほうが、日本の格闘技の未来はめっちゃあると思う」と力説していた。