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「世界美人図鑑」写真をサイト掲載 西村前大臣に批判、事務所が削除対応「不愉快な思いをされた方もいた」

   経済再生・コロナ対策相などを務めた自民党の西村康稔衆院議員(59)が、「世界美人図鑑」と題した写真の投稿を公式サイトで過去に10年ほど続けていたことがツイッター上で話題になり、西村氏側は、これらの投稿を削除した。

   投稿に対しては、女性を容姿で判断するようで不快だ、こうした紹介の仕方をする許可は取っていたのかと、疑問や批判が相次いでいる。西村氏側は、削除の理由について、「不愉快な思いをされた方もおられた」と取材に説明し、今後はこのようなことがないようにしたいとしている。

  • 西村康稔氏(写真:つのだよしお/アフロ)
    西村康稔氏(写真:つのだよしお/アフロ)
  • 西村康稔氏(写真:つのだよしお/アフロ)
  • 女性の容姿について比較する投稿も(現在は削除)

「さて誰が一番美人でしょうか?」と比較も

   始めた当初は、「世界各国美人図鑑」と称しており、2008年8月14日の投稿「その6」では、「インドのデリー空港で」として現地の女性3人が写真に映っていた。この3人について、「さて誰が一番美人でしょうか?」と書いていた。

   同様な投稿は、その翌日の「その7」にもあり、小泉チルドレンとされた日本の女性衆院議員らも比較されていた。

   同年9月7日の「その12」では、7月に日中友好議員連盟のメンバーで中国の首都北京を訪れたとし、飲食店の女性店員の写真を投稿して、「荒川静香風の美人が担当でした」とつづった。同月16日の「その15」では、7月に自民党青年部の海外研修で韓国を訪問したとし、サムソン電子の広報担当者を「少し女優・松坂慶子さんに似ている美人です」とした。

   この年の11月の「その21」では、ベルギーで撮ったという買い物帰りとみられる女性を「後姿美人(?)」と指摘した。12月の「その23」では、日本の「美人」も取り上げ、講義に行った北大キャンパスで歩く女子学生を「またまた後姿美人たち(!?)」として、「なごんだひとときでした」と漏らした。

   翌09年3月には、「その32」でチリの街角にいた女性を紹介し、「さすが3C(チリ、コスタリカ、コロンビア)の一つ」と感想を書いていた。

   美人図鑑シリーズは、公式サイトの「とっておきの1枚」ブログの中で、少なくとも17年4月4日の「その184」まで続いたことが分かっており、10年ほどで200回近く連載した可能性がある。美女図鑑シリーズ以降は、食事内容紹介の投稿が多くなっていた。このブログは、21年3月5日の「2020年2月以降、更新を停止しています」との案内が最後の投稿になっている。

「削除することを失念しておりました」

   美人図鑑シリーズの内容については、時々話題になっていたが、22年5月31日にツイッターで批判的に取り上げられると、図鑑の投稿が次々に拡散する騒ぎになった。

   投稿に対しては、「何をしに行ったのか」「被写体に許可とっている?」「閲覧数が上がるでしょうが これでは...」といった厳しい指摘が相次いでいる。

   この騒ぎを受けてなのか、6月1日のうちには、ほとんどの投稿が西村氏の公式サイトから削除されたとされ、2日夜現在では、すべての投稿が見られなくなっている。

   物議を醸した美人図鑑について、西村氏の国会事務所は2日、J-CASTニュースの取材に対し、次のように文書で回答した。

「ご指摘のホームページの記載については、2017年8月時点で更新を停止しておりましたが、削除することを失念しておりました。この間、不愉快な思いをされた方もおられたと思いますが、すべて削除しました。今後このようなことがないよう、細心の注意を払って参ります」

   ただ、なぜこのような図鑑を考えたのか、撮った女性からはこの紹介の仕方をする許可を受けているのか、などについては回答がなかった。

(J-CASTニュース編集部 野口博之)